5 経絡按摩

右上腕骨外側上顆の痛み

男性 62歳(患者は男性であるが写真は女性)

​図1

テニスで、バックハンドで打つと右上腕骨外側上顆部に痛みが起こる。
1㎏のダンベルを持たせてバックハンドの動作を行わせた。(図1)
疼痛部位は三焦経で、天井穴の近くなので「変動天井穴」とする。

(図2)

〔腹臥位〕
疼痛部位は三焦経であるので、前腕と手で硬結・圧痛が強いツボを調べると上中渚穴であった。上中渚穴を持続圧しながら変動天井穴を指圧すると、圧痛が軽減した。(図3)
肩甲間部と背腰部に診断按摩を行った。
硬結・圧痛が強かったツボは右側の肩井穴、膏肓穴、魂門穴、志室穴であった。(図2)
下肢では胆経・陽交穴であった。(図2)


1)膏肓穴に持続圧を行った。
肘関節を伸展して手を握らせ、痛みを誘発した状態で膏肓穴を持続圧すると、痛みが軽減した。
(図4)
肩井穴、魂門穴、志室穴、陽交穴に母指持続圧を行った。
もう一度肘関節を伸展して手を握らせると、さらに痛みが軽減した。


2)前腕部の按摩
支え手で上中渚穴を持続圧しながら、前腕部、総指伸筋の三焦経・四瀆穴に手根圧迫と手根揉捏を行った。(図5)
次に手を握らせて筋が硬くなった状態で、手根圧迫と手根揉捏を行った。


3)上腕部、上腕三頭筋の三焦経、小腸経に手根圧迫と手根揉捏を行った。(図6)肘関節を伸展させて上腕三頭筋が硬くなった状態で、手根圧迫と手根揉捏を行った。


4)肩関節、三角筋の三焦経・臑会穴、小腸経・肩貞穴に手根圧迫と手根揉捏を行った。(図7)肩関節を外転させて筋が硬くなった状態で、手根揉捏と手根圧迫を行った。


5)肩甲骨部、棘下筋、小腸経・天宗穴に手根圧迫と手根揉捏を行った。(図8)肩関節を外転させて筋が硬くなった状態で、手根圧迫と手根揉捏を行った。

​図5

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​図6

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​図2

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​図3

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​図4

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​図7

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​図8

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機関誌176号 (04年07月 発行)掲載

右鼠径部、脾経・衝門穴の痛み

男性 56歳(患者は男性であるが写真は女性)

​図1

ゴルフでスイングすると、衝門穴に痛みが起こる。(図1)

〔背臥位〕
筆者が右下肢を持って体幹に向けて押して股関節を圧迫し、さらに股関節を内旋させて痛みを誘発した。

すなわちゴルフスイングで痛みが出る状態を再現した。
この状態で足部の脾経で圧痛があった公孫穴(図1)を指圧すると、衝門穴の痛みが軽減した。
筆者が右側腹部の脾経募穴・章門穴(図1)を圧迫すると圧痛があった。
患者の手で章門穴を圧迫させて、衝門穴と章門穴の痛みが軽減するまで、公孫穴の1分間持続圧を2回行った。(図2)

〔腹臥位〕
背腰部に診断按摩を行うと、左右の脾兪穴、意舎穴、胃兪穴、右志室穴に硬結・圧痛があった。
股関節を内旋させて痛みを再現した。
最も圧痛があった右意舎穴に重ね母指持続圧を行った。(図3)
3分間ほど行うと鼠径部の右衝門穴にジーンとした響きが起こった。
患者は右下肢の内側部にも微かにジーンとした感覚が起こるということで、脾経に気が巡っていることが確かめられた。

〔背臥位〕
頭頂部、督脈・百会穴の右斜め前ずらし圧を行った。
最初に百会穴を垂直に圧迫して、押し続けたまま、右斜め前にずらす。(図4)
1分間の持続圧を2回行うと、鼠径部の衝門穴の痛みが軽減した。

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​図2

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​図3

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​図4

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​図5

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機関誌175号 (04年05月 発行)掲載