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​6 経絡按摩・臨床発表

筋縮穴と陽陵泉穴の持続圧を行うと、ジャンプ力がアップする。

竹井機器のジャンプ測定器で測定した

ジャンプをする前にベルトを腰にセットして、紐をたるみなく張った状態で、メモリを測定モードにセットする。

ジャンプ(図2)してメモリを調べる。(図3)

立位で左右の陽陵泉穴を同時に圧迫して圧痛が強い方を調べる。(図4)右側であった。

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〔右上側臥位〕

母指と薬指でO-リングテストを行う。(図5)

背部の督脈、胸椎9/10棘突起間の外筋縮穴(図1)と足の胆経・陽陵泉穴(筋会)(図1)を、同時に2分間持続圧を行う。(図6)

Oリングテストを行って薬指の筋力が強くなっていることを確かめる。

左上側臥位になって同様に行う。

〔立位〕  

ジャンプ測定器をセットしてジャンプすると、治療前が37㎝で治療後が41cmで、4㎝上がって10%程アップした。

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機関誌178号 (04年11月 発行)掲載

筋縮穴と陽陵泉穴の持続圧でO-リングテストを行うと、指のつまむ筋力が強くなる。

女性 51歳

​図1

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督脈で胸椎9/10棘突起間に「筋縮」(図1)というツボがある。

ツボの漢字から判断して筋の収縮に関係が深いと推測する。
足の胆経に陽陵泉穴(図1)がある。ツボの特徴として「筋会」と説明されている。
この2穴は筋の収縮と弛緩に関係が深いと考えられる。

〔背臥位〕
上腹部の肝経募穴・期門穴と胆経募穴・日月穴の圧痛が、左右どちらにあるかを調べると右側であった。(図2)

〔右上側臥位〕
筆者の督脈のツボの取穴は、棘突起間の中央から10㎜ほど外側の圧痛がある部位に取穴する。外筋縮穴(図1)とする。
試しに左外筋縮穴と右外筋縮穴を指圧すると、右側に圧痛が強かった。
持続圧をする前に手のO-リングテストを母指と薬指で行った。(図3)
右外筋縮穴と右陽陵泉穴を同時に、持続圧を行った。(図4)
2分間程行うと、筋縮穴の圧痛が半減した。
もう一度O-リングテストを行うと、薬指のつまむ筋力が強くなっていた。
この2穴の持続圧は全身の筋力を増強させることができると考えられる。

機関誌177号 (04年09月 発行)掲載

①母指が鍼の母指撚鍼のように横に動いていた。

男性 75歳

​図1

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​図2

肩が凝るということで腹臥位になった。
肩を揉もうとして何気なく左手の母指を見ると、母指が鍼の母指撚鍼のように横に細かく動いていた。
この動きは鍼の母指撚鍼だったら上手なのだが、と思った。
肩甲間部の肺兪穴に硬結・圧痛があったので、重ね母指持続圧と揉捏を繰り返した。(図1)
母指の動きがゆっくりとなった。
次に肩甲骨の棘下筋、小腸経・天宗穴を指圧すると激痛があった。
我慢させて手根圧迫と手根揉捏(図2)を行うと、1分経過したころで母指は全く動かなくなった。
激痛を感じていたはずであったが、患者さんは眠った。

②左下腿、胃経・下豊隆穴が針金のような硬結であった。

女性 53歳

たまに急に咳が出て、痰が出ますという。
背臥位で痰の特効穴である豊隆穴を調べると、左側に圧痛が強かった。
しかしこのツボの下方を調べると細いスジ状の硬結(図3)があって、揉捏すると豊隆穴よりも激痛であった。
5分間くらい指圧と揉捏(図4)を繰り返すと、急に咳をした。痰が出たという。
終わって受付で、お腹が空いた感じですと言って帰った。

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​図4

​図3

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機関誌176号 (04年07月 発行)掲載

後頚部がドクドクとした感じになる。

女性 76歳 

糖尿病になっていてHbA1c(ヘモグロビンA1c)が常に8%以上ある患者さん。MRI画像診断で椎骨動脈にプラークがある。
ストレスが続くと首の後ろがドクドクするというので、そのうちに何か脳の症状が起こるのではないかと心配である。
〔腹臥位〕
後頚部の筋にすごい硬結があって、関節も硬い。
左耳が聞えにくく、右目は緑内障があるので、快圧で時間をかけて指圧と揉捏を行った。(図1)                        

背腰部は肝兪穴、脾兪穴、胃兪穴、腎兪穴、志室穴に硬結・圧痛があり、
脾兪穴を重点的に持続圧と揉捏を行った。
患者「うつ伏せで気持ちよくなって眠れるのが最高です」


〔背臥位〕
最後、背臥位で後頚部の四指揉捏で櫓こぎ揉みを行うと、すごく気持ちがいいという。
櫓こぎ揉みとは、四指の中節骨部で僧帽筋をとらえて、引いて揉み、押して揉むという、
櫓をこぐように揉むやり方である。


顔の目の周りと耳、鼻、口の周囲に按摩を行った。
按摩治療を受けるとストレスがあっても、3~4日は後頚部のドクドクが起こらない。

(図1)後頚部の指圧と揉捏

(図2)引いて揉む

(図3)押して揉む

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機関誌175号 (04年05月 発行)掲載

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