​6 経絡按摩・臨床発表

①母指が鍼の母指撚鍼のように横に動いていた。

男性 75歳

​図1

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​図2

肩が凝るということで腹臥位になった。
肩を揉もうとして何気なく左手の母指を見ると、母指が鍼の母指撚鍼のように横に細かく動いていた。
この動きは鍼の母指撚鍼だったら上手なのだが、と思った。
肩甲間部の肺兪穴に硬結・圧痛があったので、重ね母指持続圧と揉捏を繰り返した。(図1)
母指の動きがゆっくりとなった。
次に肩甲骨の棘下筋、小腸経・天宗穴を指圧すると激痛があった。
我慢させて手根圧迫と手根揉捏(図2)を行うと、1分経過したころで母指は全く動かなくなった。
激痛を感じていたはずであったが、患者さんは眠った。

②左下腿、胃経・下豊隆穴が針金のような硬結であった。

女性 53歳

たまに急に咳が出て、痰が出ますという。
背臥位で痰の特効穴である豊隆穴を調べると、左側に圧痛が強かった。
しかしこのツボの下方を調べると細いスジ状の硬結(図3)があって、揉捏すると豊隆穴よりも激痛であった。
5分間くらい指圧と揉捏(図4)を繰り返すと、急に咳をした。痰が出たという。
終わって受付で、お腹が空いた感じですと言って帰った。

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​図4

​図3

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機関誌176号 (04年07月 発行)掲載

後頚部がドクドクとした感じになる。

女性 76歳 

糖尿病になっていてHbA1c(ヘモグロビンA1c)が常に8%以上ある患者さん。MRI画像診断で椎骨動脈にプラークがある。
ストレスが続くと首の後ろがドクドクするというので、そのうちに何か脳の症状が起こるのではないかと心配である。
〔腹臥位〕
後頚部の筋にすごい硬結があって、関節も硬い。
左耳が聞えにくく、右目は緑内障があるので、快圧で時間をかけて指圧と揉捏を行った。(図1)                        

背腰部は肝兪穴、脾兪穴、胃兪穴、腎兪穴、志室穴に硬結・圧痛があり、
脾兪穴を重点的に持続圧と揉捏を行った。
患者「うつ伏せで気持ちよくなって眠れるのが最高です」


〔背臥位〕
最後、背臥位で後頚部の四指揉捏で櫓こぎ揉みを行うと、すごく気持ちがいいという。
櫓こぎ揉みとは、四指の中節骨部で僧帽筋をとらえて、引いて揉み、押して揉むという、
櫓をこぐように揉むやり方である。


顔の目の周りと耳、鼻、口の周囲に按摩を行った。
按摩治療を受けるとストレスがあっても、3~4日は後頚部のドクドクが起こらない。

(図1)後頚部の指圧と揉捏

(図2)引いて揉む

(図3)押して揉む

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機関誌175号 (04年05月 発行)掲載