~東京都南青山にある治療院です~
14 新技術 / 田中流按摩の診断
後頭骨/環椎関節の離開法で腰痛を改善する方法は、
腰部を捻転して痛みを再現した状態で行うと効果が大きい。
女性 44歳
背臥位で腰部に痛みが起こる側に捻転すると、左側に捻転して右腰に痛みが起こった。
この状態で後頭骨/環椎関節の右内天柱穴の離開法を行う。(図参照)
内天柱穴の離開法で改善することが多いが、風池穴の離開法も行って、後頭骨/環椎関節部に響き的な感覚が強く起こる手技を行うと、腰痛をさらに改善することができる。

機関誌177号 (04年09月 発行)掲載
●田中流の按摩の診断
背部の円背(猫背)は心の弱り 男性 35歳
患者「先生、猫背が気になるのです」
背中を見ると肩甲間部のあたりが少し猫背になっている。
〔背臥位〕
肩甲間部に枕を当てて反った姿勢にして、患者に大きく呼吸を行わせ、呼吸がしにくい感覚を認識させる。(図1)
肩甲間部の猫背はツボの位置から判断して心に関係が深い。
診断
上肢の心経のツボ、少海穴を左右指圧して呼吸をさせると楽にできた。(図2)
胸部の第5胸肋関節部の腎経・歩廊穴を左右指圧しながら呼吸をさせると、これも楽にできた。(図3)
次に下肢の腎経・照海穴を左右指圧して呼吸をさせると、楽になったが心のツボの方が楽であった。(図4)
肝経の太衝穴でも同様に行ったが少し楽になった。(図5)
従って肩甲間部の猫背は心の弱りから起こっていると判断することができる。
患者さんが自分でできる方法として、ベッドに大きなクッションを置いて、その上に肩甲間部が当るように寝て、自分の手で顎をベッドの方に圧迫して胸を反らす方法を説明した。





●新技術
手の三里穴の効果的な按摩(指圧と揉捏)
効果的な按摩の方法
腕が楽な姿位で按摩を行う患者さんが自分で揉むときも、この方法で行うと効果的であることを説明する。
筋を伸展させた状態で按摩を行う
筋に力を入れさせた状態で按摩を行う。
〔背臥位〕
腕を楽な姿位で普通の揉み方を行う。(図1)
治療師が手関節を掌屈と尺屈して、手の三里穴の筋を伸展させた状態で按摩を行う。(図2)
患者が手関節を背屈と橈屈に力を入れて、手の三里穴の筋に力を入れた状態で按摩を行う。(図3)
患者さんが自分で揉むときも、この方法で行うと効果的であることを説明する。


楽な姿勢


筋を伸ばして


筋に力を入れて
機関誌178号 (04年11月 発行)掲載
薬指の回外と中指の回内で、頸部の回旋がやりやすくなる
薬指の中手指節関節に「回外と軸回旋法」、反対の手の中指の中手指節関節に「回内と軸回旋法」を行うと、頸の回旋が十分にできるようになる。
例)患者、首が右後ろに向きにくい
左手の薬指を回外し、右手の中指を回内しながら、患者が首を右後ろに回旋すると、痛みが軽減してやりやすくなる。(図1)
試しにこの逆を行うとやりにくくなる。
薬指を回内し、中指を回外して首を右後ろに回旋するとやりにくいことが分かる。
(図2)
反対に薬指を回外し、中指を回内して、首を左後ろに回旋すると向きにくくなる。
(図3)



機関誌176号 (04年07月 発行)掲載
中指の中手指節関節に「内旋と軸回旋法」を行うと、反対側に頸の痛みを軽減して回旋ができるようになる。
手の中指は心包経で、指先の内側から始まって前腕内側部の橈骨と尺骨の中間を巡っている。
その橈骨と尺骨の体幹部に近いところに回内筋がある。
心包経は前腕部の回内運動と関係が深く、身体の回旋とも関係が深い。
例えば、頸椎を右に回旋して、右頸部に痛みが起こる場合、左中指を内旋すると痛みが軽減する。(下記写真参照)
