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​4 痩せる耳のハリ

脾と胃、腎のツボを徹底的に治療して食欲が減退した。

女性 主婦 54歳 体重67.7㎏

田中流痩せる耳のツボ(図1)

女性 45歳

 

アイスクリームを食べた。(図2)

〔背臥位〕

上腹部、任脈・中脘穴の圧痛穴に患者さんの手を置いて筆者が耳のツボを左右指圧すると圧痛が軽減した。

鍼に敏感な患者さんなので、長さ0.3㎜の短い円皮鍼を痩せる耳のツボに貼って、その上から線香灸を行った。(図3)

左右の下腿、脾経に診断按摩を行うと左隠白穴と公孫穴、地機穴に圧痛があった。

隠白穴には0.3㎜の円皮鍼を貼った。公孫穴には1寸・00番鍼、地機穴には1寸3分・00番鍼で刺鍼して響かせて置鍼し、テープで止めた。

左隠白穴、公孫穴、地機穴のツボの図(図4)

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〔腹臥位〕

背腰部に診断按摩を行うと、左意舎穴と胃倉穴、右志室穴に圧痛があった。1寸6分・1番鍼を刺鍼して回旋・雀啄して響きを得て置鍼し、温灸を行った。

左意舎穴、胃倉穴、右志室穴のツボの図(図5)

〔坐位〕                        (図5)   

患者さんの後ろから耳の円皮鍼を圧迫した。
(図6)

アイスクリームを食べると、バニラとミルクの味が薄くなって、砂糖だけの味になった。

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機関誌178号 (04年11月 発行)掲載

脾と胃、腎のツボを徹底的に治療して食欲が減退した。

女性 主婦 54歳 体重67.7㎏

田中流痩せる耳のツボ(図1)

176号で治療した患者さんである。

夫がコロナにかかって一か月間、治療が中断していたが、
特に体重が増えることはなかった。
8月中に治療を4回行って、体重が65.1㎏から64.1㎏と1㎏減少した。
治療穴は前回のツボに加えて、便通改善として仙骨部の膀胱経・下髎穴を加えた。

 

■治療

〔背臥位〕
耳の痩せるツボに円皮鍼を貼って、その上から線香灸をあてた。(図2)
脾経・隠白穴と胃経・厲兌穴に円皮鍼を貼付した。(図3)
脾経・公孫穴、胃経・陥谷穴、腎経・照海穴に置鍼してテープで止めた。
(図4)公孫穴の置鍼の鍼をテープで止める

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〔腹臥位〕

左右の脾兪穴と胃兪穴、腎兪穴、下髎穴(図5)に1寸6分・0番鍼を刺鍼して回旋・雀啄して響きを得て置鍼し、温灸を行った。

 

〔坐位〕

患者さんの後ろから円皮鍼を圧迫した。

〔帰宅後〕                      

食事の前に自分で耳のツボを30秒間持続圧して、野菜の青い葉を多く食べるように説明した。

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機関誌177号 (04年09月 発行)掲載

脾と胃、腎のツボを徹底的に治療して食欲が減退した。

女性 主婦 54歳 体重67.7㎏

田中流痩せる耳のツボ(図1)

〔背臥位〕
食欲旺盛は中医学で「胃熱」と説明している。
足を触診して熱感を調べた。
足底、腎経・湧泉穴と母趾内側、脾経・公孫穴、足背、胃経・陥谷穴に熱感があった。上腹部の任脈、胃経募穴・中脘穴は圧痛があって冷えていた。
1) 耳のツボに長さ0.3㎜の円皮針を貼って線香灸を行った。(図2)
脾経井穴・隠白穴と公孫穴、胃経井穴・厲兌穴と陥谷穴に長さ0.3㎜の円皮鍼を貼ってその上から指圧と揉捏を行った。隠白穴に円皮鍼を貼った(図3)
2) 円皮鍼を貼った上から脾経と胃経、腎経に冷却シートを貼った。(図4)

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​図1

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​図2

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​図3

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​図4

〔腹臥位〕
背腰部に診断按摩を行うと、左右の脾兪穴と胃兪穴、腎兪穴に硬結と圧痛があった。(図5)
鍼体50㎜、太さ0.14㎜の鍼で刺鍼し、回旋・雀啄して響かせた。置鍼して温灸を行った。
〔坐位〕
鍼を抜いて坐位になり、患者さんの後ろから円皮鍼を貼っている耳のツボを30秒間圧迫した。(図6)
患者にも食事の前に30秒間指圧するように勧めた。
〔帰宅後〕
何となく食欲が落ちて、夜はキュウリとスイカを食べた。
夜中に大量に排便があった。朝、体重を計ると65.1㎏で前の日に比べて1.6㎏減った。

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​図5

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​図6

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​図7

機関誌176号 (04年07月 発行)掲載

ワインが好きな女性に肝経と腎経のツボを治療して、ワインの味の変化を確かめた。
女性 52歳 治療時間30分

〔背臥位〕
1) 耳のツボに円皮針を貼って線香灸を行った
肝経募穴・期門穴の圧痛を調べると右側が強かった。
両側の耳のツボに長さ0.3㎜の円皮鍼を貼って筆者が圧迫し、
患者に右期門穴を圧迫させると圧痛が軽減した。
円皮鍼の上から火を付けた線香を近づけて温めた。(図2)


2) 肝経井穴・大敦穴と圧痛があった脛骨部の肝経・蟸溝穴に長さ0.3㎜の円皮鍼を貼って、その上から指圧を行った。(図3) 

 

〔腹臥位〕
背腰部に診断按摩を行うと、左右の魂門穴と右腎兪穴に硬結と圧痛があった。
右魂門穴に鍼体50㎜、太さ0.14㎜の鍼で刺鍼して回旋・抜き差しをして

響かせた。(図4)置鍼して温灸を行った。

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​図1

​図2

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​図3

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​図4

〔坐位〕
鍼を抜いて坐位になり、患者の後ろから円皮鍼を貼っている耳のツボを30秒間圧迫した。
ワインを飲んだところ、旨味が無くなって渋みだけ感じた。


・帰宅後
家に帰ってから耳の円皮鍼を貼ってあるツボを30秒間指圧してからワインを飲むと、治療直後よりもさらに旨味も香りもなくなって、苦味と渋味を強く感じ、全く美味しいと感じなかった。
(治療で飲んだワインと自宅で飲んだワインは同じである)

機関誌175号 (04年05月 発行)掲載

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