12 臨床メモ

①今まで日本酒を飲んでひどい目に合ったことが何回もある。男性 71歳

アルコールは好きで何でも飲む。しかし日本酒は利き過ぎるのか、日本酒を飲んで何度も酷い目に合ったことがある。

転んで膝を怪我した、財布を落としたことがある、終電を乗り過ごして、帰りタクシーで1万円かけて帰ってきた、その他、まだある。

外では日本酒を飲まないことにしている。

 

➁腹臥位で腰部の脊柱起立筋がピーンと張って盛り上がっているのは腎の弱りである。女性 57歳

腎が弱っている患者さんは、腹臥位で寝てどこにも力を入れていないのに腰部の筋が収縮している。

 

③43℃の風呂の温度が41℃になった。女性 75歳

熱い風呂でないと体が温まらないので、夫が入った後に熱くしてから入っていた。鍼灸治療にかかって10ヶ月経った。

43度では熱く感じるようになって、最近は主人が入った後、そのままの41度くらいの温度で気持ちよく感じるようになった。

体の体温が上がったのだと思うと言う。

治療は右腎兪穴の外側の志室穴に1寸6分・1番鍼を置鍼して、お腹の中が「湯たんぽ」のように温まるまで温灸を15分間くらい行う。

 

④梅干しと糠漬けを毎日食べるのは塩分の摂り過ぎ。男性 65歳

昨年の暮れから寝ていて足に寒さを感じた時、ふくらはぎがつるようになった。

筆者「塩分を摂り過ぎていませんか」と聞いた。

患者「好きな梅干しは塩分8%のものにしている。妻が野菜の糠漬けが得意なので毎日食べている。どっちも発酵食品だから、体にいいはずだ」と言う。

健康的な食品でも毎日食べると、塩分の摂り過ぎである。

機関誌177号 (04年09月 発行)掲載

①外反母趾がひどい女性患者さん、三陰交穴に毛が生えていた。女性31歳 
外反母趾は脾の弱りである。下腿、脾経の三陰交穴の上下に産毛が生えていた。
弱っている内臓の経絡上に病変が現れる。

②椅子に座って食事をした後、眠くなって椅子からずり落ちる。女性57歳
腰痛で按摩治療にかかった。治療穴は左志室穴で大きな硬結があった。
患者の話「中学生の頃、家で夕食を食べると、すごく眠くなりました。座っていられなくなって、椅子からずり落ちて、床で寝てしまいました」
夕方の6時前後に眠くなるのは腎の弱りである。

 

③あまり話をしない高齢の男性患者さんが、戦争の話をしたところ、急に話しだした。男性 85歳
腰痛で治療にかかって少し改善してきた。
4回目の治療の時、第二次世界大戦の話になったところ、せきを切ったように話だした。
普段、興味があることは話したいのだと思った。

④足が火照る人は、足部に掛けたバスタオルを蹴ってしまう。女性 70歳
筆者は患者が腹臥位になった時、大きなバスタオルを腰から足にかける。
この患者は足にかかっているバスタオルを自分で蹴って剥いだ。
足底を触ると火照っていた。腎の弱りが考えられた。

⑤遠くで雷が鳴った。かがんで床の物を持とうとした時、腰にビリッと電気が走った。女性 55歳
以前、機関誌に発表したことがある、電気コードをコンセントに差し込もうとした時、腰にがビリッと電気が走った患者である。
今度は雷が鳴った時に、腰にビリッと電気が走った。
電気関係のことで腰に電気が走る患者である。

機関誌176号 (04年07月 発行)掲載

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​図1

① 肝機能数値のγ-GTPが花粉症の薬を飲んで上がった。男性56歳 
肝機能数値のγ-GTPが200以上あったので、好きなワインを減らした。5か月間で150に下がった。
しかし花粉症の薬を飲んだところ、180に上った。
他にγ-GTPが上がるようなことはしていないので薬のせいだという。
漢方薬の小青竜湯にしたが、花粉が多い時は効かない。
仰向けで寝てテニスボールを後頭部の外風府穴に当てることを勧めた。(図参照)

② 緊張してしゃべった時に、のどが渇くのは腎の弱りである。男性53歳
腰痛で按摩治療にかかった。治療穴は関元兪穴と志室穴で、腎に関係が深いツボであった。
帰りに受付で「先生、最近、会議でしゃべると妙にのどがかわくのですが、どうしてでしょう」と聞かれた。
筆者「中医学で唾液は腎の液と説明しています。腎が弱っているので唾液が少なくなっています。緊張感が強くなると、さらに腎が弱って唾液が少なくなるので、のどが渇いた感じになるのだと思います」

③ 低血糖の症状になって救急車で運ばれた。女性55歳
この女性患者さんは年に4~5回按摩治療にかかる人であるが、母親が30年来、熱心にかかっている。独身で母親と2人暮らし。
母親から夕方、電話がかかってきた。「娘が変なんです。ぐったりして口がきけなくなっています。先生のところに連れていきたいのですが」
筆者「とても鍼灸で治る症状でないようなので、病院へ行った方がいいのではないでしょうか」
夜になって筆者が電話をしたところ母親は「先生、低血糖ということで、点滴を受けて今、入院しています」
3日経って母親が治療にかかった。
「最近、食欲がないと言って、あまり食べていなかったのに、ワインばかり飲んでいたからなったのだと思います。ばちが当たったんです」

機関誌175号 (04年05月 発行)掲載