疑問・仮説

●  疑問NEW!
① リンゴは果物の中で最も栄養があると思われるが、五行の五果には入っていない。
五臓のすべての内臓に効く栄養があるので、ひとつの内臓に決まられないからかだろうか?

② 腰痛で腰部のツボを指圧した時、押している時よりも指を離して圧を抜いた時に痛みを感じる患者がいる。
治療を続けて腰痛が改善してくると起こらなくなるので、最高に症状が強い時の反応かと思われる。

③ 患者に腹鳴が起こると、筆者も起こる事が多い。
筆者は午後6時前後に腹鳴が起こる。
この時間以外で患者さんが、腹鳴が起こると、何故か筆者も起こる事が多い。

④ 低い血圧を上げようとして腎兪穴の位置する腰椎2/3椎間関節に逆捻転を行うと、かえって下がる場合がある。その後、続けて治療を行うと上がってくるのだが、何故だろうか。

●  仮説NEW!
① 足の第5趾の爪が正常に伸びていないのは、腎の弱りであると推測される。
第5趾の爪の生え際のツボは膀胱経・至陰穴である。
すなわち陰の腎経に気の流れがつながるということで、第5趾の爪は腎に関係が深い。
腎の弱さが爪の伸び具合に現れる。

② 汗をかく部位で五臓の弱りが、ある程度、判断することができる。
腎は後頭部に汗をかいて髪が濡れる。脾は頬の耳側に汗をかく。肝は額に汗をかく。
心は頸の横、耳の下に汗をかく。肺は上唇に汗をかく。
五臓に関係したこれらの部位は、普段、気の流れが悪いのだが、何かの作用で五臓の機能が急に良くなったに血流が良くなって、皮膚温が上って汗をかくのではないかと思われる。

③ 鍼を抜くときに腹鳴が起こることがある。
置鍼して鍼の効果は十分であると判断して抜鍼するときに腹鳴が起こることがある。
まだ刺鍼したツボの筋の硬結が軟らかくなっていなくて、鍼を締め付けているから抜くときに刺激が強くなって起こると推測される。

●疑問 関節運動法と指圧で腹鳴が起こるが、左右、異なる。男性 57歳

関節運動法では右側の腰部の逆捻転で腹鳴が起こる。背臥位で下腿を指圧すると左下腿、胃経のツボの指圧で腹鳴が起こる。
腹鳴が起こることは良いことだが、手技によって左右異なる。

 ●疑問 低い血圧を上げようとして腎兪穴の逆捻転を行うと下がる例がある。女性 28歳 !

血糖値は脾兪穴の位置する胸椎11/12椎間関節の逆捻転で高い場合は下がり、低い場合は上がる。
血圧も腎兪穴の位置する腰椎2/3椎間関節の逆捻転で、上げたり下げたりできるはずと考えて行うと、低い血圧がさらに下がることがある。

 ●仮説 
①コロナウイルスは目に見えない。
目に見えない物を退治できるのは、ひょっとして何か目に見えない物かも知れない。

② 中医学で腎が弱ると「恐れる」と説明している。
患者さんを観察して、腎の弱りが強い人ほどコロナを怖がることが多いように思われる。

③左の額に汗をかくのは、肝の弱り推測される 男性 42歳

左の額にだけ汗をかくことがあるという。
アルコールを飲まない患者さんなので、「何か油っこい物を食べた時ではないですか」と聞くと、そうでもないとのこと。
実験的に患者さんの手の指で額の汗の出るところを叩き、その感覚を覚えてもらった。
筆者が左足の肝経・太衝穴と胆経・足臨泣穴を持続圧し、もう一度、額を叩いてもらうと感覚が和らいだ。
原因は分からないが、肝の弱りであると推測される。

 ● 仮説
①膝の皿の内側部、脾経・内膝眼穴に水がたまったには脾と腎の弱り。 女性 56歳

この症状に関係する内臓の弱りは関節部の症状として腎の弱り、内膝眼穴の症状として脾の弱りで、2つの内臓の弱りで症状が発生したと考えられる。
従って根本的には腎、症状改善としては脾の治療である。

②肺の弱い人は寝たときに両腕を上げて、万歳をした状態で寝る。女性 34歳。

「私、巻肩なんです」という。
「巻肩の人は、寝た時に両腕を上げて寝ませんか」
「先生、その通りです。まさか私の寝ているところを見たのではないでしょうね」
「見てないけど、肺の弱い人は、腕を上げて胸を広げると気持ちが良くて、空気がたくさん入ってくるので、自然にそうするのです。でもパジャマがめくれて肘が出るので、冷やされます。肘が冷えるとのどを痛めるので注意が必要です」

 ●疑問 揉まれてすごく痛いのに眠くなるのは何故? 女性 56歳 

うつ伏せで背中と腰の激痛のツボを指圧して揉捏した。
15分間くらい揉むと、「いつも『痛いなぁー』と思いながら、眠くなります。不思議です」という。

●仮説
①    肋骨が浮くのは肺の弱り 

最近、患者さんの胸を揉むことが多くなった。
第2肋骨、第3肋骨の片側、あるいは両方が浮き上がっている人がいる。
浮き上がっている肋骨の胸骨に付いているところのツボ、霊墟穴、神蔵穴、彧中穴を指圧すると反対側のツボよりも圧痛が強いということで、肺の弱りを表していると思われる。

➁ 第9肋骨の部分が盛り上がっているのは、肝の弱り。

仰向けで患者さんの肋骨を見たときに、第9肋骨の先端部分が盛り上がっていることがある。
男性でアルコールを飲む人に多い。
第9肋骨は、うつ伏せで背部を手の平全体で触ったとき盛り上がって触れることがある。

 ●仮説
➀アトピー性皮膚炎はカゼを引いて熱が出ると痒みが軽くなる。女性 41歳

花粉症になると寝ていて鼻が詰まって口呼吸になってカゼを引く。
37度くらいの微熱で出るとアトピーの痒みが軽減する。
先生、何故ですか。

筆者:白血球がそれまでアトピーを起こす化学物質の処理を行っていたのが、カゼ菌という自然界の物質の処理を行うようになったので、アレルギー反応を起こすことが出来なくなったためだと思います。
熱が下がれば、また痒みが出ると思います。

➁ 骨が冷えていると強く圧迫して、さらに冷たく感じる。男性 62歳

新型コロナウイルスの感染予防にと思って、肩甲間部の大椎穴から肺兪穴を触診すると大椎穴が冷えていた。
試しに強く圧迫すると、さらに冷たい感じがした。これは皮膚よりも骨が冷えていると思われた。
台12肋骨端の京門穴の冷えでも強く圧迫した方が冷たさを感じることがある。
腎に関係のある骨は、腎の冷えが骨に現れると推測される。

●疑問 左腸骨稜の上、胆経・五枢穴の痛みが、志室穴の持続圧で響いた。女性73歳

胆経の五枢穴の痛みということで、背部、肝兪穴・魂門穴の硬結・圧痛を指圧して少し響いたが、肝のツボよりも腎に関係が深い志室穴ではっきりと響いた。

●仮説 背部の頸の付け根、督脈の大椎穴の冷えは腎の陽虚で起ると推測される。

大椎穴は陽経六経の経脈が流注している。「腎は一身の陽を主る」と説明されているので、この部位の冷えは腎の陽虚であると推測される。
このツボを温灸で徹底的に温めると、腎陽虚が改善されて身体の陽経の流注部位が温まると思われる。

● 仮説 痛みの神経がないところには響きが起こらない。

身体で痛みの神経がないところは、五臓(肺、心、肝、脾、腎)、脳神経、脊髄神経、骨、軟骨、椎間板、爪、髪の毛などである。
指圧や関節運動法、鍼、灸を行うと離れた部位に響きが起こるが、これらの部位にはほとんど響きが起こらない。
響きは痛みの神経があるところだけに起こると推測される。

●仮説 親指には足の脾経と肝経が流注している。また足指の裏には腎経が流注している。

足の母趾の変形。
足の母指が内側に曲がって(外反母趾)、母指外転筋が痩せているのは脾の弱り。
足の甲の部の伸筋の腱がスジ張って母趾が背側に曲がるのは肝の弱り。
母趾が足底側に引きつるのは腎の弱りと推測される。
反対に脾が弱ると母趾を外転できないので、治療は第1中足骨を固定して基節骨に外転と凹滑り法を行う。

さらに患者さんに外転に力を入れてもらうと改善することができる。
肝が弱ると母趾を底屈できないので、第1中足骨を固定して基節骨に底屈と凹滑り法を行い、最後に患者さんに底屈に力を入れてもらうと改善することができる。

腎が弱ると母趾を背屈しにくくなるので、第1中足骨を固定して基節骨に背屈と凹滑り法を行い、最後に患者さんに背屈に力を入れてもらうと改善することができる。