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新技術

胸骨柄/胸骨体関節の滑り法 臨床編NEW!

胸骨体を右側にずらし、胸骨柄を左側にずらす。この反対の操作を行って響き的な感覚の強い方を行う。
呼吸が楽になるかを確かめる。

A氏(女性 55歳)
最初に胸骨体を右にずらし、胸骨柄を左にずらした。右前腕外側部の三焦経から小指の外側部、小腸経に響いた。
普通、胸骨柄をずらした側の上肢に響きが起こることが多いのだが、反対側に響いた。
次に胸骨体を左にずらし、胸骨柄を右にずらした。最初と同じに右前腕部から小指に響いた。
のどの天突穴に響いた。
左右、違う手技を行っても症状のある側に響きが起こるという症例であった。

B氏(女性 43歳)
最初に胸骨体を左にずらし、胸骨柄を右にずらした。左側の下肢後側部に響いた後、右上腕後側部に響いた。
次に反対の操作をした。胸骨体を右に胸骨柄を左にずらした。
響き方がちょうど反対になって、右側下肢と左側上肢になった。
この反応から下肢は胸骨体をずらした側で響き、上肢は胸骨柄をずらした側に響くことが分かった。
終って鼻が通って、体、全体がゆるんだ感じになった。

後頸部の硬結・圧痛は側臥位で頚を前屈して、後頸部に痛みを感じた状態で距腿関節のツボ圧迫と離開法を行うと改善する。

患者さんの手で後頸部を揉みながら手技を行うと改善することが分かる。

坐骨神経痛は側臥位で股関節を屈曲し、距腿関節のツボ圧迫と離開法を行うと改善する。

膝関節を伸展位。股関節を坐骨神経痛が出るまで屈曲して踵を圧迫牽引すると、痛みが軽減する。

自分で2穴を同時に持続圧すると症状改善の効果が大きい。  

①のどや鼻の症状に或中穴あるいは神蔵穴を示指で持続圧して、その手の魚際穴を反対の手の母指で持続圧をする。
左右のツボに行う

②舌の痛みや心臓の弱りに歩廊穴を示指で持続圧して、その手の通里穴を反対の手の中指で持続圧をする。 左右のツボに行う

姿勢による背腰部の効果的な揉み方  

筋を伸展して按摩を行う。次に筋に力を入れて按摩を行う。
側臥位
➀ 頸部
頸部を前屈して後頸部の筋を伸展して按摩(指圧と揉捏)を行う。
頸部を後屈に力を入れて、治療師は手で抵抗し、力の入った筋に按摩を行う。
➁ 背腰部
背中全体を丸めて、背腰部の筋を伸展して按摩を行う。
背腰部を後屈して股関節伸展し、治療師は力の入っている腰部・臀部に按摩を行う。 

上肢・下肢の片側のツボ、2穴を左右同時に4穴、指圧すると効果が大きい  

1.肺経・大腸経
鼻を意識して呼吸すると楽になることが分かる
①魚際穴と合谷穴
②孔最穴と手三里穴
③尺沢穴と曲池穴

2.脾経・胃経口を大きく開けると開けやすくなることが分かる
①公孫穴と陥谷穴
②地機穴と上巨虚穴
③陰陵泉穴と足三里穴

●側彎の改善   
例.胸椎10番、11番の右凸側彎。
腹臥位
下肢を右にずらして胸部・腰部を右に右凸に曲げた状態にする。
手技
胸椎12番の棘突起を左側から左手の中指で固定して、胸椎11番の棘突起を右側から右手の母指で左側に圧迫する。
適度な強さで行なうと、患者さんは気持ちよく感じる。
同様に12番を固定して10番を左側に圧迫する。
胸椎9番の棘突起を左側から右手の中指で固定して、10番棘突起右側を左手の母指で左側に圧迫する。
同様に胸椎9番を固定して11番を左側に圧迫する。

●膝を曲げると大腿後側部の外側(大腿二頭筋)、浮郄穴の痛みは、膝を曲げて痛みを出した状態で指圧を行うと改善の効果が大きい。
さらに患者さんに屈曲に力を入れてもらい、硬くなった筋を指圧するとよい。
①背臥位で膝を屈曲して行う
②側臥位で膝を屈曲して行う
③腹臥位で膝を屈曲して行う

●下肢大腿後内側部(半腱様筋、半膜様筋)、腎経の効果的な按摩
①筋を伸展して行う
②筋に力を入れてもらって行う
患者:側臥位
治療師:患者の膝関節を伸展位で、下肢を治療師の腰に乗せて、股関節を最大に屈曲する。
治療
膝を固定して、大腿の後内側部に母指圧・母指揉捏を行う。

●膝関節を伸展しながら痛みの出た部位に按摩を行うと改善効果が大きい 女性 69歳 主婦

左膝の外側部に痛みが起こる。
膝を診ると関節がやや前屈位である。(膝が前に出ている)
膝を矯正する目的で関節運動法の過伸展と凹滑り法を行ったところ、膝関節外側部・腸脛靱帯の後側、胆経・膝の陽関穴に痛みが出た。
そこでこの過伸展をして痛みを出した状態で痛みのツボを治療すると改善すると考えた。下肢を下ろしてアキレス腱部に枕をあて、足を浮かした状態で大腿部を床に押さえ込み陽関穴に指圧と揉捏を行った。30秒間ほど母指持続圧をして揉捏という按摩を5回、繰り返し行ったところ、関節運動法の過伸展をしても80%程度、痛みが改善していた。
ベッドから下りて左足に体重をかけて歩いてもらうと、「少し気になる程度で、ずいぶんと違います」との返事であった。

●腓腹筋部の痛みを軽減する関節運動法と按摩の組み合わせ

背臥位
足関節を、背屈と凸滑り法の関節運動法をしたところ腓腹筋内側部・腎経・築賓穴に痛みが起こった。
そこで片手で足関節を背屈して痛みを出した状態で、もう一方の手の四指で築賓穴に四指圧迫と四指揉捏を行った。
最初、すごく痛がったが1分間ほど揉んで、足関節を背屈すると築賓穴の痛みはほとんど起こらなかった。

●胸部のツボの圧痛を、指を引っ張りながら指圧すると、圧痛が半減して指圧しやすくなる。

①華蓋穴と神蔵あるいは彧中の圧痛は、母指あるいは示指を引っ張りながら行うと圧痛が半減する。
②膻中穴と神封、霊墟穴の圧痛は、中指あるいは薬指を引っ張りながら行うと圧痛が半減する。
③中庭穴と歩廊、神封穴の圧痛は、小指を引っ張りながら行うと、圧痛が半減する。

● 目の動きを改善する百会のずらし圧 

①右横ずらし
 両目を右横に向けることが楽になる。
②左横ずらし圧
 両目を左横に向けることが楽になる。
➂後方ずらし圧
 両手の母指を百会の左右に置いて、後方にずらすと、両目を上に上 げることが楽にできるようになる。
➃前方ずらし圧
 両手の母指を百会の左右に置いて、前方にずらすと、両目を下に下 げることが楽にできるようになる。
➄右回転(時計回り)ずらし圧
 患者さんに両目を時計回りに、ゆっくりと目を回転してもらい、治 療師も母指で時計回りに円を描くようにずらし圧をすると、目を回 転しやすくなる。
➅左回転ずらし圧
 患者さんに両目を時計回りと反対に、ゆっくりと目を回転してもら い、治療師も母指で時計回りと反対に円を描くようにずらし圧をす ると、目を回転しやすくなる。

●体幹の側屈の関節可動域を改善する仙骨の操作

(1)患者 坐位 
①体幹を側屈して曲げた側の仙骨を床方向に圧迫する。
②体幹を側屈して伸ばした側の仙骨を天井方向に持ち上げる。
(2)患者 立位
①体幹を側屈して曲げた側の仙骨を床方向に圧迫する。
②体幹を側屈して伸ばした側の仙骨を天井方向に持ち上げる。

●合谷を指圧しながら大腸経の症状部位を圧迫すると、改善することが分かる。

①大腸経募穴・天枢穴の圧迫不快感の軽減
患者さんが自分の手で腹部・大腸経募穴・天枢穴を圧迫して不快感のあることを調べ、次にその手の合谷穴を指圧しながら、もう一度、天枢穴を圧迫すると圧迫不快感が軽減することが分かる。
② 胸鎖乳突筋部、天鼎穴・扶突穴の硬結・圧痛の軽減
③手で頸部・胸鎖乳突筋部の大腸経、天鼎穴・扶突穴を圧迫して硬結・圧痛のあることを調べ、次に反対の手の四指で合谷穴を指圧しながら、天鼎穴・扶突穴を指圧すると圧痛が軽減することが分かる。
④上唇の大腸経の経絡交差部、水溝穴の圧痛の軽減
⑤水溝穴を四指で圧迫して横揉捏し、違和感を確かめ、次に反対の手の四指で合谷穴を指圧しながら、水溝穴を指圧すると圧痛が軽減することが分かる。
⑥歯の痛みの軽減
⑦歯の痛みの部位を圧迫して圧痛を確かめ、反対の手の四指で合谷穴を指圧しながら、痛みの部位を指圧すると圧痛が軽減することが分かる。
⑧鼻梁の奇穴・鼻通穴の圧痛軽減
⑨手で鼻の鼻通穴を示指で指圧して圧痛を確かめ、反対の手の四指で合谷穴を指圧しながら、鼻通穴を指圧すると圧痛が軽減することが分かる。
⑩目の圧迫感の軽減
片目を四指で圧迫して圧迫した感覚を確かめ(コンタクトをしていない場合に行う)、反対の手の四指で合谷穴を指圧しながら、目を圧迫すると圧迫感が軽減することが分かる。

●頸を斜め後方に傾けると痛みが出るという症状に対して、頸椎の関節を斜め後方に傾けながら、後方伸展と滑り法の組み合わせを行うと改善する。

(1)坐位
①母指を横突起と棘突起の中間部に当てて、患者さんに頭を痛みの出る、斜め後方に傾けてもらう。
②これで改善しない場合は、次の2つの手技を分けて行う
1)頸椎の側方屈曲と滑り法
患側の頸椎横突起を固定して、反対側の一つ上の頸椎横突起に四指を当てて、患側に圧迫しながら、患者さんにも頸を患側に曲げてもらう。
2) 頸椎の後方伸展と滑り法 
患側の棘突起外側に母指をあてて圧迫固定して、患者さんに頭を後方に傾けてもらう。
3)①の手技をもう一度、行う。

(2)背臥位
坐位で行った同じ要領で行う。
①母指を横突起と棘突起の中間部に当てて、患者さんの頸部を斜め後方に傾けて後方伸展と滑り法を行う。関節可動域の限界で患者さんにも斜め後方に力を入れてもらう。
②これで改善しない場合は、次の2つの手技を分けて行う
1)頸椎の側方屈曲と滑り法
患側の頸椎横突起を固定して、反対側の一つ上の頸椎横突起に四指を当てて、患側に圧迫しながら、患者さんにも頸を患側に曲げてもらう。
2)頸椎の後方伸展と滑り法
患側の棘突起外側に母指をあてて圧迫固定して、後方伸展と滑り法を行う。関節可動域の限界で患者さんにも斜め後方に力を入れてもらう。
3)①の手技をもう一度、行う。

●按摩と関節運動法の複合治療

つま先立ちをすると腓腹筋内側部に痛みが起こる症状の改善
患者 背臥位
患者の下腿遠位部に手拭いを当てて、それを治療師の足で押さえる。
治療師が足関節底屈と凸滑り法を行い、一定の角度で維持する。
この状態で患者に足関節底屈に力を入れてもらい治療師がそれに抵抗し、腓腹筋内側部の筋に力を入れた状態を保つ。
腓腹筋内側の硬結・圧痛部位に四指圧迫と四指揉捏を行う。
患者は揉まれて痛みを強く感じるが、改善の効果は高い。

●胸部のツボの指圧で、上肢の症状を改善する効果的な指圧 

胸部・任脈・華蓋穴の横ずらし圧と神蔵穴の持続圧で、上肢・肺経の硬結・圧痛を軽減することができる。


(1)膻中のずらし圧と神封の持続圧で中指に響く


(2)神庭のずらし圧と歩廊の持続圧で小指に響く

 

●膝の裏、腎経の上陰谷穴の筋が、膝を屈曲すると痛むという症状に対する効果的な按摩

①患者 背臥位
下腿を治療師の肩に載せて、患部に按摩を行う。

②患者 側臥位
膝関節を屈曲して、治療師の大腿部で屈曲を維持して、腎兪穴に按摩を行う。

③患者 腹臥位
膝関節を屈曲して、治療師の膝で屈曲を維持して、腎兪穴に按摩を行う。

④患者 背臥位
足の腎経、太谿穴あるいは照海穴を中指で指圧しながら膝を屈曲する。

●下腿の胃経、胆経の効果的に按摩

患者 背臥位
① 胃経の効果的な按摩
足背部の陥谷穴を持続圧しながら、その手で足部を床側に圧迫して前脛骨筋を伸展させる。
この状態で下腿・胃経のツボに指圧と揉捏を行う。

●膝関節の屈曲と伸展運動の改善

(1)伸展の改善 (背臥位)
治療師の膝に下肢を乗せる。
膝関節を伸展するように力を入れてもらいながら、それに治療師が抵抗して、力の入っている大腿四頭筋に手根圧迫を行う。
筋の硬結をやわらかくして、膝の伸展の力を強くする効果が大きい。

(2)屈曲の改善 (腹臥位)
膝を屈曲して、治療師の脇で下腿を支える。
膝関節屈曲に力を入れてもらい、それに抵抗しながら、大腿後側部の筋の硬結に手根圧迫を行う。
筋の硬結をやわらかくして、膝の屈曲する力を強くする効果が大きい。

●股関節の内転・内旋をさらに改善する方法

患者側臥位
天井側の下肢を床側の下肢の前に置いて内旋位にする。
治療師は後上部離開法・後下部離開法を行いながら、
①患者に、さらに内旋に力を入れてもらう。
②患者に、股関節の屈曲・伸展運動をしてもらう。

患者側臥位
天井側の下肢を床側の下肢の後ろ側に置いて外旋位にする。
治療師は前上部離開法・前下部離開法を行いながら、
①患者に、さらに外旋に力を入れてもらう。 
②患者に、股関節の屈曲・伸展運動をしてもらう。

●大腿部・胃経の効果的な按摩と鍼治療
患者:背臥位
治療師:下肢の外側に位置する。
①下肢は楽な姿勢で、胃経に按摩を行なって、最も硬結・圧痛のあるツボを調べる。
例.伏兎穴
②足を臀部の下に置いて膝関節を屈曲して大腿部・胃経の筋を伸展した状態で伏兎穴に按摩(手根圧迫と揉捏)を行なう。
③大腿部の裏側に枕を置いて下肢を少し浮かせる。
患者さんに、膝関節を伸展に力を入れてもらい、筋に力が入った状態で伏兎穴に按摩を行なう。
④筋を伸展した状態で刺鍼する
響いたところで一呼吸おいて、また運鍼して響かせる。
①筋に力を入れた状態で刺鍼する。

●大腿部の効果的な按摩(指圧と揉捏)

①側臥位
股関節・膝関節・足関節を背部に曲げて治療師が足で固定し、大腿前面部の筋を伸展させて按摩を行なう。

②側臥位
膝関節を伸展して股関節を屈曲し、治療師が足で固定して大腿後側部の筋を伸展させて按摩を行なう。

③背臥位
膝関節を屈曲して股関節内転し、手でその状態を固定して大腿外側部の筋を伸展させて按摩を行なう。

④背臥位
膝関節を屈曲して股関節を外転し、手でその状態を固定して大腿内側部の筋を伸展させて按摩を行なう。 

●背腰部・臀部の効果的な按摩(指圧と揉捏)
腰部と股関節をいろいろ曲げた状態で按摩を行なう。
・患者 患側を上に側臥位。
・治療師 背部に位置する。
② 伸展して行なう。
③ 順捻転の姿勢で行なう。
④ 逆捻転の姿勢で行なう。

●肩凝りは患部を伸展させて揉むとさらに効果がある
・患者 腹臥位
・治療師 頭上に位置する。
①頭部を、肩が凝っている反対側に真横に曲げて、凝っている部分の筋を伸展して指圧・揉捏する。
②胸枕をやや高くして、頭部を、肩が凝っている反対側に斜め前に曲げて、凝っている部分の筋を伸展して指圧・揉捏する。

●胸部の三指揉み
・患者 背臥位
・治療師 側方に位置する。
・手技
中指を任脈のツボ、人指し指と薬指を胸骨の際の腎経のツボに置く。
三指で3穴を圧迫して、次に横揉捏を行う。
璇璣・兪府、華蓋・彧中、紫宮・神蔵、玉堂・霊墟、膻中・神封、中庭・歩廊
・効果
肺、胸腺、心臓の機能を高めることができる。
上肢の内側部の症状と関係が深いので、この部位の症状を軽減することができる。
腹鳴が起こることがある。
肺経(肺)、心包経(胸腺)、心経(心臓)と陰陽の関係にある大腸、三焦、小腸、胃などの機能を改善することができる。

●坐骨神経痛を改善する百会穴のずらし圧。
・患者 下肢の痛む側を上に側臥位。
・治療師 頭方に位置する。
・検査 膝関節伸展位で股関節屈曲を屈曲し、足関節を2~3回、背屈して下肢に神経痛を発生させる。 
・手技
① 最も圧痛のある百会穴を調べる。

② 膀胱経の神経痛の場合
百会穴を持続圧したまま斜め後方(下肢の患側方向)にずらし圧を行う。
このとき、百会穴を指圧したときよりもずらし圧の方が圧痛のあることが大切である。
患者さんに足関節を2~3回、背屈してもらい下肢の神経痛が軽減することを確かめて持続圧を行う。

●呼吸を楽にする鍼・温灸
照海穴は腎のツボで、腎の経絡は胸部で胸肋関節部を流れている。
列缺は肺経のツボで肺に関係が深い。
このツボを治療すると、吸う息と吐く息を大きく行うことができる。
具体的に気管や胸が広がる感覚、鼻からのどにかけて空気の通りが良くなる感覚が感じられる。

● 足指の効果的な指圧と関節運動法
・患者 側臥位。
・治療師 下肢の横に位置する。
① 第2趾・胃経の治療
陥谷穴を母指圧しながら、第2中足/指節関節に底屈と凹滑り法を行い、指節間関節に背屈と凹滑り法を行う。
第2趾から第5趾まで同じ要領で行う。 
② 第5趾・膀胱経の治療 
上の手の母指で基節骨を足底に圧迫して中足指節関節に底屈と凹滑り法を行い、次に下の手での母指で中節骨を外側から固定し、示指で末節骨を内側から外側に圧迫して外転と凸滑り法を行う。

● 足指の効果的な指圧と関節運動法

・患者 側臥位。
・治療師 下肢の横に位置する。
① 母趾・脾経の治
公孫穴を中指指圧しながら、第1中足/指節関節に外転と凹滑り法を行う。
脾経募穴・章門穴を圧迫しながら行うと圧迫不快感が軽減する。
② 母趾・肝経の治療
太衝穴を母指圧しながら、第1中足/指節関節と指節間関節に底屈と凹滑り法を行う。
肝経募穴・期門穴の圧迫不快感を軽減することができる。

● 臀部の手根揉捏

⑴ 側臥位で股関節屈曲位
・患者 側臥位。
・治療師 背部に位置する。
・手技 股関節をさらに屈曲する方向の回転で手根揉捏を行う。
・効果 手根揉捏の後、股関節を屈曲すると、さらに屈曲が楽にできる。

⑵ 側臥位で股関節伸展位
・手技 股関節をさらに伸展する方向の回転で手根揉捏を行う。
・効果 手根揉捏の後、さらに伸展が楽にできる。

● 鼻の症状を軽減する指圧。

・患者 背臥位。
・治療師 頭方に位置する。
・手技
外風府穴に中指を当てて天井側に圧迫する。
患者さんは背臥位なので、詰まっていた鼻が通ることが分かる。

● 膝の痛みを軽減する指圧。

・患者 背臥位。
・治療師 足方に位置する。
・検査  膝を屈曲して痛みの出るツボを調べる。その疼痛部位と経絡的に関係する足部のツボの圧痛を調べる。
例.
① 曲泉穴(肝経)
② 内膝眼穴(脾経) 
・手技
① 膝関節を屈曲して外転したとき膝の内側部・肝経・曲泉穴に痛みが出る場合、足部の太衝穴を指圧しながら曲泉穴も同時に指圧して膝関節を屈曲すると痛みが軽減して屈曲が楽にできるようになる。
② 膝関節を屈曲して内転したとき膝蓋骨内側部・内膝眼穴に痛みが出る場合、足部の公孫穴を指圧しながら内膝眼穴も同時に指圧して膝関節を屈曲すると痛みが軽減して屈曲が楽にできにようになる。

 ● 円背(猫背)の指圧による矯正。

・患者 背臥位 背中に枕をあてて胸を反らす。
・治療師 足方に位置する。
・手技
猫背は主に肝・胆の弱りで起こることが多い。
足部の肝経・太衝穴と胆経・足臨泣穴の4穴を同時に指圧すると、胸と背中が楽になって反らされて苦しい感じが軽減する。
この状態で患者さんにも反るように力を入れてもらうと、さらに効果的である。

 ●鍼を2本使って頸部や肩を治療すると効果が大きい。 

・患者 背臥位
・治療師 患者の横に位置する
・手技
(両側の頸や肩が凝っているときに行う)
①1本の鍼で刺鍼して運鍼(回旋・雀啄)し、響きを得たら置鍼する。
②もう1本の鍼で、反対側の頸や肩に刺鍼して運鍼して響きを得て置鍼する。
③最初の鍼を抜いて、そのツボの近くを前揉捏して硬結・圧痛穴に刺鍼し、置鍼する。
④反対側の2番目に刺鍼して置鍼してある鍼を抜いて、そのツボの近くに刺鍼して置鍼する。
これを繰り返すと響きを得て置鍼してあるので、単刺を繰り返すよりも刺激が強くて効果が大きい。

 ● 坐位 頸椎の側屈と滑り法 

・患者 坐位
・治療師 背部に位置する。
・手技
(患者は頸部を右側に側屈しにくいと仮定する)
① 第7頸椎から第1頸椎まで側屈と滑り法
第7頸椎横突起を右側から圧迫固定して、第6頸椎横突起を左側から圧迫しながら患者さんに「頸を右に傾けて下さい」と指示して行う。
これを頸椎1/2椎間関節まで行う。                 
② 後頭骨/環椎関節の側屈と凸滑り法
頸部を右に側屈しにくい場合、後頭骨/環椎関節では、第1頸椎横突起が左に出っ張っていることが多く、頭部は左に傾いていることが多い。
手技は第1頸椎横突起を左側から圧迫して、後頭骨下縁を右側から圧迫しながら、患者さんに「頭を右に傾けて下さい」と指示して行う。 

●胸肋関節に3本の指を当てて凸滑り法を呼吸に合わせて行う 

・効果:胸肋関節機能異常を改善すると同時に呼吸が楽になる。
・患者 背臥位
・治療師 体側に位置する。
薬指を第1肋間(第1肋骨と第2肋骨の中間)、中指を第2肋間、示指を第3肋間部に当てる。
・手技
①患者さんに「息を吸って」と指示して、3指を足方に圧迫して肋骨の胸骨関節面を足方に滑らせる。同時に上肢と肋骨を頭方に圧迫する。
②患者さんに「息を吐いて」と指示して、3指を頭方に圧迫して肋骨の胸骨関節面を頭方に滑らせる。同時に上肢と肋骨を足方に圧迫する。

●背臥位 腸脛靱帯の伸張法

患者 背臥位 
治療師 患側の横に位置する
手技
・治療師の支えの手を患者の大転子にあてて固定する。
・他方の手で、膝関節伸展位で脇にかかえて下肢を保持する。
・体全体を内側に移動して股関節を内転し、腸脛靱帯を伸張する。

●下腿内側部(腎経・築賓穴など)の効果的な按摩(指圧と揉捏)背臥位 

患者 背臥位 下肢はやや外反位
治療師 下肢の外側に位置する
治療師の足方の手で、患者の足関節を背屈位に保って腓腹筋内側部の筋を伸展させ、四指圧迫・四指揉捏を行う。
②治療師の足方の足で、患者の足底を圧迫して足関節を背屈位に保って腓腹筋内側部を伸展させ四指圧迫・四指揉捏を行う。
③患者自身に足関節を底屈するように力を入れさせて、腓腹筋が硬くなった状態で按摩を行う。

●委中穴の効果的な指圧 

膝を屈曲すると膝窩部の委中穴が痛いという症状に対して、委中穴に母指圧しながら他方の手でさらに跗陽穴を圧迫して膝関節を屈曲すると治療効果が高い。
⑴ 背臥位
内側の手を膝の内側から入れて母指で委中穴を指圧する。
外側の手の四指で跗陽穴を圧迫しながら膝関節を屈曲する。
⑵ 側臥位
外側の手の母指で委中穴を圧迫する。
治療師の大腿部で足関節を圧迫して、膝関節を屈曲する。
⑶ 腹臥位
内側の手の母指を委中穴に当てて指圧し、外側の手の四指で跗陽穴を圧迫しながら膝関節を屈曲する。     

●後頭骨/環椎(第1頸椎)関節の滑り法

(後頭骨/環椎関節の側屈と凸滑り法とは別の手技である)
患者:背臥位 治療師は頭上に位置する。
①環椎横突起の側方圧迫
乳様突起下方の環椎横突起を左右から触診して出っ張っている側を判断する。後頭骨を固定して横突起を反対側(凹んでいる側)に圧迫する。
②環椎横突起の前方(天井側)圧迫
乳様突起と環椎横突起の並び方を調べて、環椎横突起が後方(床側)に変位している側を調べる。
頬の部位を圧迫して固定し、環椎横突起を床側から天井側に圧迫する。
③ 頭の左右の傾きに対しての関節運動法(従来の方法)
例えば、頭が右に傾いている場合、環椎に対して後頭骨の関節面は左側に凸滑りで変位している。
従って、矯正は環椎横突起を右側から圧迫固定して、後頭骨下縁を左側から圧迫し、同時に頭部を左に傾けて左側屈と凹滑り法を行う。
治療効果
頸部の動きが大きく滑らかになって、頚が楽に感じる。
目が明るくなるなど顔面の感覚器官の働きがよくなる。

●頸椎1/2椎間関節の滑り法

・改善効果:軸椎(第2頸椎)の歯突起による脊髄の圧迫が除かれて、頸部が楽になり、顔面感覚器官や内臓に響いて、その機能が改善される。
・患者 背臥位
・治療師 頭上に位置する
・手技
⑴ 診断
後頭骨のすぐ下方の第2頸椎棘突起が後方に出っ張っていることを調べる。
さらに右側か左側に回旋して出っ張っていないかを調べる。
⑵ 治療
回旋している側の棘突起に四指を当て、他方の手を反対側の顎にあてる。        
顎を固定して、棘突起を斜め前方・天井側に圧迫する。
軸椎の歯突起の脊髄圧迫が除かれる。

●耳鳴りに効くツボの指圧  

・患者 背臥位
・治療師 頭方に位置する
・手技
①耳に症状のある側の手の三焦経、上中渚穴と外関・支溝・会宗で圧痛の強いツボを2つ同時に持続圧する。
・上中渚穴と支溝穴の母指圧
②耳の症状のある側の三焦経のツボで圧痛の強いツボと、耳の症状のある側と反対側の腎経・太谿穴のツボを同時に持続圧する。
・上中渚穴と太谿穴の指圧

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