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痩せる耳の鍼

● 味の実験を行った。NEW!

患者女性はビールとポテトチップスが好きであった。
ビールとポテチは腎に関係が深いと思われる。また肝と脾にも関係が深い。
この食品を口に含んで味を確かめた。

背臥位
田中流耳の痩せるツボを調べた。
左側のツボが硬くて圧痛が強かった。円皮鍼を貼って持続圧すると右足の指先に響いた。

腹臥位
背腰部に診断按摩を行うと右側に硬結・圧痛が強かった。
右の腎兪穴、脾兪穴、肝兪穴に1寸6分・0番鍼を刺入して回旋・雀啄し、響きを得て置鍼した。
温灸を2個、持って腎兪穴と脾兪穴、肝兪穴を温めた。
腹鳴が起こって、お腹の中が温かくなった。

治療時間約20分。
抜鍼して坐位になり、耳の鍼を指圧した。
味を確かめた
ビールは苦い味が強くなって、ポテチは塩味が強く感じた。
もっと薄い味でいいと思った。

●ワインが好きな女性に肝兪穴と耳のツボを持続圧と鍼灸をして、味の変化を調べた。女性 44歳

ワインなどのアルコールは肝に関係が深い。肝兪穴と魂門穴を治療した。
水を含んだ後、赤ワインを一口、飲んで味を確かめた。

腹臥位
第5腰椎棘突起の下から棘突起を一つずつ数えて第9胸椎棘突起の位置を調べた。
左右の肝兪穴と魂門穴に診断按摩を行って、最も硬結・圧痛のあるツボを調べた。
右側の圧痛が強かった。
右肝兪穴と魂門穴に1分間ずつ重ね母指持続圧した。
例 右肝兪穴の重ね母指持続圧
次に右肝兪穴に1寸3分・00番鍼で刺鍼して響きを得て置鍼して温灸をした。
腹鳴が起こって、右上腹部の肝経募穴・期門穴が温かくなった。
口の中に残っていたワインの味が薄くなった。

背臥位
田中流の耳の痩せるツボを1分間、左右同時に持続圧をして円皮針を貼った。
耳のツボは左側の方が、硬結が大きくて圧痛が強かった。
試しに上腹部、胃経募穴・中脘穴を圧迫してもらうと中脘穴の圧痛が軽減した。

坐位
座って、自分で耳のツボの円皮針を押すように位置を説明した。
終わって、水を含んだ後、ワインを一口、飲んだ。
味が濃く感じた。
帰って自宅でのワインの味を確かめた。
いつも飲んでいる白ワインを飲んでみると、やはり味が濃く感じて2杯で止めた。
普通、3杯くらい飲んでいる。
次の日に円皮針を外した。飲みたい気持ちはあるのだが、飲むと味が濃く感じて2杯で十分という感じであった。
食事も味が濃く感じて、量が少なくなった。

●甘い味は脾を助ける、過ぎれば破るということで、アイスクリームで実験した。女性 44歳 

アイスクリームを食べて味を確かめた。いつも食べている味がした。
脾経・井穴・陰白穴と胃経・井穴・厲兌穴に円皮針を貼って、その上から冷却シートを貼った。腹がグルっと鳴った。
左右の脾経・陰陵泉穴と胃経・足三里穴の4穴を同時に5分間、持続圧した。

響きの反応
中脘穴→右肩・肩井穴→左大横穴→両側の大腿動脈部の衝門穴・気衝穴→右足の親指の内側・太白穴
田中流耳の痩せるツボを1分間持続圧した。
右側の方に硬結があって圧痛も強かった。腹鳴が起こった。
ツボに円皮針を貼った。
もう一度、アイスクリームを食べて味を確かめた。
甘味が薄くなって生クリームの味が強く、美味しい感じがしなかった。
2時間後に同じアイスクリームを食べたところ、甘みを感じて治療する前と同じ味になっていた。

●手の掌側、小指球部、心経の少府穴に保冷剤(氷・冷えピタ)を貼って、苦い味のゴーヤとバターの味の変化を確かめた。女性 56歳。

手の小指球部が赤くなっていて熱感があり、たまに動悸がするというので心の弱りがあると判断した。 中医学で苦い味は心を強化すると説明している。反対に筆者の経験上、 バターは心を弱らせる食品である。実験の前に生のゴーヤとバターを食べて味を確かめた。

背臥位
左右の小指球部に保冷剤の氷を手拭いに包んで貼った。
胸部・腎経・歩廊穴と上肢・心経・少海穴を5分間、持続圧した。左歩廊穴に圧痛が強かったので、右側に1分間、左側に4分間行なった。小指球部に保冷剤(氷)を貼ったまま腹臥位。
肩甲間部の心に関係するツボに診断按摩を行うと、督脈の左神道穴に激痛があった。
左神道穴、左右心兪穴、左右神堂穴の5穴に1寸3分・00番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼した。肘関節部の小腸経・小海穴から上方にかけて冷えていたので、この部位を温灸で温めた。治療時間は約20分間。
鍼を抜いて保冷剤を取り、ゴーヤとバターの味を確かめてもらった。ゴーヤは苦みが薄れてやや甘みを感じた。バターはバターのコクが薄れて牛乳の味がした。
手の小指球部に保冷剤(冷えピタ)を貼って帰宅した。
駅から自宅の間にケンタッキーの前を通ると、いつも「食べたいなー」と思うのが全く思わなかった。夕食で主人の好きな鶏肉を作って一緒に食べたところ、脂身が美味しく感じなかった。
心の少府穴の位置する小指球部に熱感がある場合、ここを冷やし、心に関係のあるツボを治療すると心を強化して、 自然的な食べ物で心を助ける物は味が美味しく感じて、弱らせる物は美味しく感じない効果を発揮する。

●脾は中医学の五行理論で甘い食べ物と関係が深い。

脾経の公孫穴と陰陵泉穴の2穴指圧、足三里穴の2穴同時指圧、田中流耳の痩せるツボ、百会穴の垂直圧を12分間行って甘い味の変化を確かめた。 
被検者:女性 
甘い黒豆を食べて味を確かめた。 
圧痛が強くあった左側の公孫穴と陰陵泉穴に圧迫と揉捏を2分間行い、反対側は1分間行った。
左側の脾経のツボの指圧で左の鼻が通って、右では右が通った。 
左右の三里穴を同時に1分間指圧した。
耳の痩せるツボを1分間、持続圧した。
右側の目の奥に響いた。
百会穴の垂直圧を1分間行った。
痩せる耳のツボと百会穴の指圧は、視床下部の満腹中枢と摂食中枢に刺激が及ぶものと推測される。 
6分間の治療を2回行って、もう一度、最初に食べた甘い黒豆を食べたところ、味が濃く、甘すぎる感じになった。 
この治療を繰り返すと普段食べている甘い物は甘過ぎるように感じて、薄味を好むようになると思われる。 

●脾経の井穴・隠白穴の灸点紙・線香灸の実験 

脾経は中医学で甘い食べ物と関係が深いので、食べ過ぎている人に実験をした。 
灸点紙を裏返しにしてピンセットで持つ。 
太い線香に火を付ける。  
被検者:女性 
甘い黒豆を食べて味を観察した。 
左右の隠白穴に少し熱さを感じる程度に線香を接触して片側に10回、反対側に10回、これを5回、繰り返して行った。 
もう一度、最初に食べた甘い黒豆を食べたところ、味が薄く感じて美味しいと思えなかった。
この治療を頻繁に繰り返すと甘い物を食べるのが少なくなると思われる。   

●耳のツボに円皮鍼を貼ると、少し酔ったような感じになって、それで食欲が減退する感じになる。男性 48歳  

肥っている人ではいないが耳の痩せるツボの話しをしたところ興味を示して、私にもやって下さいという。 
田中流の耳の痩せるツボに長さ1.2㎜の円皮鍼を貼った。 
一週間後に話しを聞くと、治療の帰り何か酔ったような感覚になって歩いたという。 
夕食で夫人の作った食事を食べたところ、まだ酔ったような感覚があって何となく食欲が無かった。味の変化は特になかったが何だか感じが違うということで外したという。 

●耳に貼ってあった円皮鍼がいつのまにか剥がれて無くなっていた。女性 34歳。 

いつの間にか両方の鍼が無くなっていた。風呂に入ってシャワーを浴びたときに落ちたのかも知れないという。 
小さい赤ちゃんがいる家庭では床に落ちて、赤ちゃんが拾って口に入れると困るので、そのアドバイスが必要である。 
この患者さんは独身であった。 

●痩せる方法のひとつとして玄米をよく噛んで食べることを勧めている。 男性 36歳。 

ある、おにぎりチェーン店の玄米おにぎりが比較的硬く作ってあって、そのおにぎりを昼食にして食べると、硬いのでひと口、50回くらいは噛みますという。 便通がよくなったと言うが、まだ体重は減っていない。

●患者さんの例

筆者の治療を受けて、「耳の円皮鍼を貼った所を自分で指圧して下さい」と説明したところ、その話を高校生の娘さんにした。すると夕食の度に私の後ろに来て、30秒間、指圧してくれるので年末、正月はいつも体重が増えるのに、今年はむしろ1㎏であるが体重が減ったという。
 自分で指圧はできるようで中々出来ない。娘さんが協力してやってくれると、夜、1回であるが食欲が押さえられて体重が減少する。 

●患者さんの例
すごい肥満の人で、耳の痩せるツボを調べたところ、食べ過ぎの人はこのツボが大きくて硬くなっていることが多いが、比較的、小さくて柔らかかった。  
しかし指圧すると圧痛は普通に感じた。

●お腹が空いたとき耳の痩せるツボに貼ってある円皮鍼を指圧すると、空腹感が治まる。やや肥満の女性 48歳  

お腹が空くとすぐにお菓子などに手がのびてしまうという。 
その時に、筆者の説明した通りに耳の鍼の所を指圧すると、何故か食べたい気持ちが押さえられて、今までのようにすぐにお菓子をつまむということが無くなった。 

●29年9月の鍼・温灸講習会で五臓に対する味の変化の実験治療を行ったアンケートのまとめ。 

①  A氏(女性) 
腹臥位で腰部の腎兪穴と下肢後側部の腎経・膀胱経のツボに塩(塩化ナトリウム99%)を置いて下肢を持ち上げる筋力テストをすると、上がり方が低くなり、黒豆でテストすると高くなった。 
背臥位で、腎経・照海穴を置鍼してテープで止めて、耳に円皮鍼を貼って線香灸を行った。腹臥位で腎兪穴に刺鍼して置鍼し、充分に温灸を行った。 
鍼を抜いて起きてもらい、塩を口にふくんで味を調べると味がキュッと塩辛く感じた。
耳の円皮鍼は、置鍼して線香灸をしたとき胃経募穴・中脘穴が柔らかくなる感じがした。 
耳の鍼をしたまま自宅で食事をしたところ、空腹感があまりなくて何が食べたいか分からない気がした。 
しかし食べると美味しく食べられて、満腹になるのが早いように感じた。 

➁ B氏(女性) 
砂糖を上腹部の胃経募穴・中脘穴と下肢前面部の脾経・胃経のツボに置いて筋力テストをすると弱くなり、ナツメを置いてテストをすると強くなった。 
「脾の五味は甘」ということで脾に関係の深い白砂糖とナツメを含んで味を確かめて、耳に円皮鍼を貼って線香灸を行い、脾兪穴と公孫穴に鍼・温灸をしてから、もう一度、味を確かめると白砂糖は薄く感じ、ナツメは濃く感じた。 
自宅での食事では、いつも、もう少しとつい食べすぎてしまうのが、何故か手が伸びない感じで食事の量が減った。 

●2週間で体重が1.5㎏減った。女性 38歳。 

・患者さんが行ったこと 
➀ 食事の前に耳のハリを30秒間圧迫。 
➁ 玄米を1口、50回、噛んで食べた。 
➂ 市販の甘酒を薄くして生姜を入れて飲んだ。 
➃ 間食でスナック菓子を全く食べなかった。 
・治療師が行ったこと 
➀ 痩せる耳のツボの持続圧と円皮鍼の貼付。 
1分間の持続圧を3回行ったところ頭の中に響くような感覚があった。 
➁ 百会の持続圧(垂直圧と前ずらし圧) 
前ずらし圧で胃に響いて腹鳴が起こった。目が明るくなった。 
➂ 陰陵泉・足三里と脾兪・胃兪の鍼灸治療 

筆者の治療は2週間に3回、行った。 
患者さんは、食事の度に耳に貼ってある円皮鍼を軽く30秒間押してから、玄米をよく噛んで食べた。 
患者さんは身長 156㎝、1.5㎏減った段階で体重 56㎏である。高校生の時は48㎏であった。 
その時に近い体重、50㎏まで落したいとの希望。 
後、6㎏であるが、今回行った方法と、休日にウォーキングなどの運動を加えれば、1ヶ月に2㎏の体重減少は可能なので今後、3カ月で目標達成が可能である。 

●痩せる耳のツボを3分間、持続圧して円皮針を貼った。やや肥満の女性 33歳。 

耳のツボを持続圧すると左側のツボの硬結が大きくて圧痛が強かった。胃に響いたあと、額の真ん中に響いた。 
3分間持続圧したあと耳に円皮針を貼った。貼ったとき左側がジーンとして痛むといったがガマンしてもらった。治療室を出るときは何も感じなかった。 
家に帰ってビールを飲んだところ、苦いだけで美味しさを感じなかった。 
普段の食事をしたところ、味が薄く感じて食べる気がしなかった。 
耳の鍼を外して、もう一度、ビールを飲んだところ美味しく感じた。 
食事をすると塩辛い味が普通に感じられて美味しく食べることができた。 
耳のツボに指圧して円皮鍼を貼ると、不健康な食品は美味しく感じない味覚になる。 

●田中流のやせる耳のツボを3分間、持続圧した反応  

①女性 39歳 
耳のツボは左側の方がやや硬結が大きく、指圧しても圧痛が強くあった。 
両側、同時に持続圧すると、最初に顔の表面の頬から鼻に感じたが、その後、脳の中に微かに響きを感じた。 
身体のいろいろなツボを治療しても脳の中に響きを感じることは、ほとんどないが、この耳のツボは脳の中に感じることがある。 
視床下部の満腹中枢に刺激が及んで食欲を抑制すると推測される。 
治療の1時間後に、普段、大好きなコンビニのファミチキ(チキンのから揚げ)を食べようと手にとると、その時から、何となく食べたくないなという気がした。しかしお腹が空いていたので食べると、いつもよりも塩味と胡椒の辛さが強く感じて油もしつこく感じた。 
口の中がしょっぱさでピリピリした。 
毎日、治療を受けたら、大好きなファミチキが食べられなくなると思ったという。 

②女性 41歳 
夕方にやせる耳の治療を受けた。その夜は普通に食べた。 
次の朝、何故かいつもと違って、お腹が空いた感じがしなかったので家族に食事を作ったが、自分は食べなかった。 
昼はいつもより軽めに食べた。 
夜は、普通に食べた。 
おかずの味は、普段、薄味にしているので、特に味の変化は無かった。

●痩せる耳のツボと百会を持続圧して、食後の甘い物を食べないで済ますことができた。女性 35歳。 

普段、食べ過ぎる傾向があるという女性に、耳ツボと百会の持続圧
を行った。 
背臥位で耳のツボにやや強めに2分間くらい行うと、ツボを指圧されていところから頭の中にファーとした感覚が起こった。
百会は垂直圧をした。指圧されたところがズーンと感じた。 
坐位で、自分で耳のツボを指圧する方法を教えて、食前に30秒間持続圧してジーンとした感覚が起こるように持続圧することを指導した。 
次の日、連絡があった。 
弁当を持って会社に行って昼食をしたとき、食べる前に耳のツボを持続圧した。いつもは食事の後、弁当だけでは量が足りなくて甘い物を食べるのだが、自然に食べたい気持ちを押さえることができた。 夕食でも食後に甘い物を食べないで済ませることができた。 
その次に日、耳のツボの持続圧をしなかったら、食後におやつをたべてしまった。 
確実に、余分に食べる食欲を減らすことができるとういことが分かって続けてみますとの報告であった。 

●食欲のない人に耳の痩せるツボを治療すると、食欲が出るようになる。 女性 68歳。

6カ月前からなんとなく食欲がなくなって、55㎏あった体重が53㎏になった女性。 
背臥位で田中流の痩せる耳のツボを調べると右側のツボに強く硬結・圧痛があった。筆者が上腹部の中脘穴を触診すると冷えていて圧迫するとやや硬さがあり、不快感があるという。
右の示指で耳のツボを持続圧しながら、左手で中脘穴を圧迫すると不快感が 軽減した。      
そこで、右の耳のツボに1寸・00番鍼を刺鍼して5㎜くらい刺鍼し、小さい幅で回旋・雀啄を行うと腹鳴が起こった。 
ジーンとした感覚が起こったので置鍼して、耳と中脘穴の両方に温灸を当てた。 
この治療の後、夕食を食べたら、ご飯がいつもよりも美味しく食べることができた。 
1週間に1回の治療を5回行った。 
体重が2㎏増えて元の体重に戻り、朝、散歩をすると足に力が入る感じで歩きやすくなった。 

●28年9月の鍼・温灸講習会で五臓に対する味の変化の実験を行ったアンケートのまとめ 

①A氏 
脾に関係の深い炭水化物の健康的な食品の十割そばは、Oリングテストで強くなり、不健康な食品のバターは弱くなった。 
また脾兪穴と公孫穴を治療した後に味を確かめると、そばの味は変わらず、バターの味は濃く感じた。

 ②B氏
肺に関係の深い健康的な食品の切干ダイコンは、Oリングテストで強くなり、タバコでは弱くなった。また肺兪穴と尺沢穴を治療したあと、味を確かめると切干ダイコンは、さらに美味しく感じた。 
普段、甘い物が好きであるが耳の鍼をしていると、なんとなく食べる量が少なくなった。 タマネギが嫌いだったが、味が薄く感じて食べられるようになった。 
耳の鍼を圧迫するとジーンとして効いている感じがするが、1週間たった頃、痒みが出たので剥がした。耳の鍼を取ると食欲が増した。 

③ C氏
脾の関係の深い健康的な食品の十割そばは、Oリングテストで強くなり、砂糖では弱くなった。脾兪穴と公孫穴を治療した後に味を確かめると、砂糖は濃く感じて、そばは甘みが増して粉っぽく感じた。 その夜の食事では少し食欲が減った。
 また便秘気味だったのがやや改善した。 

 ●3日間で2回の治療をして、1.2㎏、体重が減少した。 

155㎝で体重が62㎏、かなりの肥満である。
腰痛で治療にかかって、最後にダイエットしたいという希望。背臥位で耳の痩せるツボを調べると左側に硬結・圧痛があった。
ツボを左右、同時に圧迫すると、左側はものすごく痛がるので、圧を少しゆるめて持続圧した。腹がググッと動いたあと、頭の中がスーッとします。
時間がなかったので、「食事の前に自分でも、この耳のツボを30秒くらい指圧して下さい」といって終了した。
3日後に、腰痛はだいぶ改善したが少し残っているというので、2回目の治療をすることになったので痩せる治療を重点的に行った。
背臥位で上腹部の胃経募穴・中脘穴を硬結と圧迫不快感を確かめた。足の胃経と脾経で硬結・圧痛のあった足三里穴と地機穴に1寸3分・00番鍼で刺鍼して響きを得て置鍼して中脘穴を圧迫すると症状が軽減していた。テープを貼って腹臥位になってもらった。
背腰部で診断按摩を行うと、腰痛は左外大腸兪穴であったが、特に膀胱経2行線の陽綱穴、意舎穴、胃倉穴、志室穴に硬結・圧痛があった。左右8穴に刺鍼して回旋・雀啄し響きを得て置鍼して温灸を行ったが、特に左意舎穴と左胃倉穴を重点的に行った。
筆者には聞こえなかったが、鍼をされて、ずっと腹が鳴っていたという。
その日の夜、食事をしたら、炒め物の油が鼻について食べられなかったという。
ご飯も半分食べて、少したったらすごく眠くなって、すぐに寝た。
朝、起きて、排尿がすごく多かった。
体重を計ったら、1.5㎏、減っていて、顔を触ったら頬がほっそりして骨に触れて、自分で「すごい」と思った。
その夜、飲み会があって、意識してだいぶ飲まないようにしたが次の日の朝、体重を計ると、最初に較べて1.2㎏減っていた。
10日後に3回目の治療したときの報告であった。

 ●左右の耳のツボの硬結・圧痛は、身体で脾・胃の弱りのある側と一致する。女性 29歳。

胃腸が弱くて肩が凝るという訴えで、最初に肩凝りと胃腸の症状改善の按摩を行った。
症状と硬結・圧痛穴は、いずれも左側であった。
最後に、「なかなか痩せないのです」というので、背臥位で耳のツボを調べると、身体症状と同じ、左側の田中流耳の痩せるツボの硬結が右側よりも大きく、押しても圧痛が強くあった。

 ●痩せる耳のツボを3分間、持続圧したら、いろいろなところに響いた。やや肥満の女性 33歳。

食欲を落したいとの希望で、背臥位になってもらい耳のツボを調べると、左右共に硬い硬結があった。
このツボを3分間ほど持続圧したところ、最初、のどが潤う感じで呼吸が楽になった。
次に上の歯茎に響いた。さらに鼻に響いて通りがよくなった。
家に帰って普段、食べているアイスクリームを口に入れたら、甘みが強く感じられたが、全部、食べたという。

●胃に響くツボを集中的に持続圧したら夜、食べないで寝ることができた。女性 42歳。

按摩治療の最後になって、「夜、食べ過ぎるのです」という。
そこで、まず胃経・募穴・中脘穴を圧迫してもらいながら耳のツボを持続圧したところ圧迫不快感が軽減した。
次に脾経・胃経で足のツボを調べると、公孫穴と陥谷穴に圧痛があったので、このツボを左右同時に4穴、持続圧をした。腹鳴が起こった。
最後に百会穴の前ずらし圧をした。
「胃が小さくなって食事の量が減りますよ」と説明して終わった。
次回、かかった時に聞くと「食事の量が減るどころか、ヘロヘロになってすぐに寝ました。全然、食べませんでした」との話し。

●耳のツボの持続圧と1日断食でいつもの味噌汁が塩辛く感じた。男性 29歳。

肥満ではないが蕁麻疹が出るというので、耳のツボを持続圧しながら腹部で圧迫不快感のあった中脘穴と天枢穴を圧迫すると不快感が軽減した。
便通がすっきりしていないというので、1日、断食を勧めた。
治療した土曜日の次の日の日曜日に水だけを飲んで、月曜日にいつもの定食屋で食事をしたら、今まで飲んでいた味噌汁が塩辛くて残したという。
耳のツボの持続圧と断食で、内臓が良くなって、普段、食べている物の味が濃く感じるという改善反応が起こったものと思われる。

●耳の痩せるツボの3分間持続圧で、夜食の買い物が少なかった。女性 32歳。

やや肥満の女性で痩せたいという。
治療の最後に耳のツボを3分間、示指で持続圧した。
耳の中にジーンと響いたあと、腹鳴が起こった。
治療の帰りに、駅の地下のスーパーで夜食と朝食を買って帰るのだが、何となく食欲がなくなった感じがして、普段、買う量よりも少なく買ったという。

●耳のツボは、斜め後方に押す方が硬結・圧痛の芯をとらえることができる。

ある女性患者さんの耳のツボを左右、同時に指圧した。 右側よりも左側の方の硬結が大きかった。同じ強さで指圧したので、左側の方に痛みが強いと言うと思ったが右側が痛いという。 そこで、左側のツボをよく観察すると、真横に押すよりも斜め後方に押す方が硬結の芯をとらえて、さらに硬さが感じられた。 この押し方をしたところ、強く圧痛が感じられて、右側よりも痛むといった。

●耳の痩せるツボの3分間持続圧で、食欲が減った。女性 32歳。

やや肥満の女性で痩せたいという。
治療の最後に、耳のツボを3分間、示指で持続圧した。
腹鳴が起こったあと、耳の中にジーンと響いた。
帰りに、いつもスーパーで夜食と朝食を買って帰るのだが、何となく食欲がなくなった感じがして、普段、買う量よりも少なく買ったという。 

●痩せている女性に耳のハリをしたところ食欲が出て体重が増えた。女性 27歳。

筆者の経験上、耳のハリは食欲減退の効果ばかりではなく、反対に食欲亢進の効果もある。
太りたいといいながら、食欲がないので、脂っこい物や辛い物など味の濃い物を好んで食べている女性。
背臥位で上腹部・胃経募穴・中脘穴を圧迫すると冷えと硬結、圧迫不快感があった。
脾経・募穴・章門穴を触ると、くすぐったくて嫌だという。
くすぐったい感じも、ツボとして弱りの反応一つである。
足の三里穴と地機穴を4穴、同時に持続圧しながら患者さんに中脘穴を圧迫してもらうと圧迫不快感が軽減した。
次に耳のツボを調べると、左側に硬く小さな硬結があった。
左右、同時に指で持続圧しながら中脘穴を圧迫してもらうと圧迫不快感が軽減した。
左足三里穴と地機穴に刺鍼して置鍼し、中脘穴と章門穴には温灸をした、耳のツボには円皮鍼を貼った。
腹臥位になってもらい、背腰部に診断按摩を行うと、右胃兪穴と左意舎穴に硬結・圧痛があり、このツボに1寸3分・00番鍼を刺鍼して置鍼し、温灸を行った。

食事の前に自分で耳のハリを指圧することと、味の濃い物を極力、食べないようにすることと、玄米をよく噛んで食べることを説明した。2週間で2回、治療したところ、排便が毎日あるようになって700g、体重が増えた。

 

●アルコールの飲酒量が3分の1に減って、1か月で4㎏、体重が減った。男性 57歳。

アルコールの飲み過ぎで、乱視がひどくなり、物が二重に見えるようになった。
特に右目がひどいということでツボを調べると、圧痛のあったのは右足の肝経・太衝穴、背部で右肝兪穴と魂門穴、後頭部で脳空穴であった。
このツボを重点的に刺鍼と温灸を1週間に1回のペースで行った。
耳の円皮鍼は、貼っていると気になって仕方ないというので、指による持続圧だけにした。
本人のアルコールを減らしたいという意志が強くあったことと刺鍼・温灸の効果で、飲みたい気分がまったく無くなった。同時に飲む時に食べていたおかずも食べなくなった。
その結果、1か月で4㎏、体重が減って、乱視もほとんど改善して、寝不足の時に少し起こる程度に改善した。 

●痩せる耳のツボを2分間、持続圧したら、いろいろなところに響いた。やや肥満の女性 33歳。

食欲を落したいとの要望で背臥位になってもらい耳のツボを調べると、左右に硬い硬結があった。
このツボを持続圧すると、最初に、のどが潤う感じで呼吸が楽になった。
次に上の歯茎に響いた。さらに鼻に響いて通りがよくなった。
家に帰って普段、食べているアイスクリームを口に入れたら、甘みが強く感じてカップの半分を残して食べるのを止めたという。 

●右五十肩で意舎穴に強めに鍼・温灸をして、耳の痩せるツボに持続圧したら、1週間で2㎏、痩せた。男性 62歳。

年に3~4回、鍼治療にかかる患者さんが右五十肩で来院した。
右上側臥位で原因穴を調べると右意舎穴に激痛があり、このツボを持続圧すると五十肩の疼痛部位に響いた。
1寸3分・00番鍼で十分に響かせて温灸をしたあと、右耳の痩せるツボを1分間くらい持続圧した。
この治療の後、アルコールが飲みたい気持ちがなくなり、食欲も減って1週間で2㎏、体重が減って五十肩も70%改善した。

●やせる耳ツボにパイオネックスの1.2㎜の円皮鍼を貼ったところ頭が重くなったので、鍼先のない円皮鍼を貼ったら頭の重い感覚が起こらなかった。女性 42歳。 

初回の治療で長さ1.2㎜の円皮鍼を貼ったところ数時間後に頭が重くなったという。2回目の治療で鍼先のない円皮鍼に代えて貼って様子をみると頭の重い感覚は起こらなかった。
最初の耳の鍼は、鍼が刺さっていると思うと強く押せなかったが、2回目の後、鍼がないと思うと恐くなくて強く押せますという。
食事の前に強く押すとだいぶ食欲が減るので、これでよいですとのこと。

● 円皮鍼をしないで指圧だけでも効果がある。女性 28歳。 

以前から肩凝りで按摩にかかっている患者さんである。
痩せたいということで、耳に鍼をしようとしたのだが、鍼は怖いというので耳のツボに指圧だけをした。
それまでは治療が終わるとお腹が空くので、いつも何かを食べて帰っていたのだが、耳のツボに指圧をするようになってから、何となく食べなくても済む気がして、食べないで帰るようになった。

●ラーメンの汁や具の味がはっきりと分かった。女性 38歳。 

全身的疲労ということで鍼温灸の治療をしたあと、最後に耳のツボを強めに1分間、持続圧して終了した。
帰りにたまに寄って食べるラーメン屋で、いつものラーメンを食べたところ、中に入っている具の味が、以前、食べた時よりも、それぞれハッキリと感じられたという。
舌の感覚が敏感になったものと推測される。

●痩せる耳のツボの治療を会社の中で、みんなでやっている。女性社長 44歳。 

女性スタッフが4人いる会社の女性社長さんに、痩せる耳ツボの治療をした。
初回から効果が現れて食べる量が少なくなり、3か月で2㎏、痩せた。
会社で飲み会があった時、楽しく飲んで食べるはずの会が、痩せる耳ツボの話しで盛り上がり、社長さんが、スタッフで一番、肥満の女性に、耳のツボを指圧してビールを飲んだところ、すぐに味が変わったことが分かってビックリ。
他のスタッフもお互いにやってみると、ビールの味が苦い感じがしたり、味の濃いものが、さらに濃く感じて残した。
社長さんが治療にかかりながら、いろいろ、面白い効果があったと興奮気味に話してくれた。
実際に効果があるだが、こういう場合、初めての人は疑問に思いながらも、気持ちが高ぶっているので、自分もそうなるのかなという心理的な効果もあると思う。
しかし鍼をしなくても、ツボを指圧するだけでも、味の変化が感じられて効果があるということが証明された。

●美容鍼の02番・5分鍼を田中流・痩せる耳のツボに刺鍼して回旋・雀啄して響かせて、線香灸をすると食欲減退の効果が大きい。

① 耳輪脚にある硬結・圧痛穴を見つける。小さなゴマ粒大の硬結である。
左右差があってどちらかが大きく、押して圧痛も強い。
押す方向は、まっすぐに反対の耳の方向に押して硬結の芯をとらえられることが多いが、斜め後ろ方向に押して硬結の芯をとらえられることもある。
② 02番・5分鍼を刺鍼して回旋・雀啄して響かせる。
小さな硬結にピッタリと、小さな鍼を刺鍼して運鍼することが難しい。
線香灸で温める。 お灸用の太い線香を3本、束ねて火を付ける。
③ 置鍼してあるツボから約10㎜ないし15㎜に近づけると、ちょうど良い熱感を感じることが多い。約1分間、温める。
終わって線香の火を消す場合は、カット綿花に水を浸しておいて、それに押しつけると消える。
男性は髪の毛が耳にかぶさっていなので、両側同時に温めることができる。
女性は髪の毛を寄せて片側ずつ行なう。
5分鍼を抜いて円皮鍼を貼る。

●耳に鍼をするようになってから味に敏感になった。女性 55歳。
調理師である。味をみたり食べることが仕事なので、味覚は正常であると思っていたが、耳に痩せるハリをしてみると、いろいろな味がさらに分かるようになった。

●2週間で2㎏痩せた。女性 28歳。
何とかして痩せたいと思っていたときに、筆者の治療にかかることになった。
やや肥満タイプである。
痩せる耳の鍼の治療を説明しながら、耳のツボを持続圧して上腹部の中脘穴を圧迫すると圧迫不快感が軽減した。
「今までに耳のハリをしたことがあるけど、お腹が楽になるなんて、されたことがなかったです」
筆者の治療を信頼して食事の前に耳の鍼を圧迫したら、いつもの食事の量が
20~30%、食べられなくなって残すようになった。
2週間で2㎏、体重が減って顔が少し小さくなった。

●より効果を発揮する耳の治療
〔背臥位〕
02番鍼を刺鍼して回旋・雀啄し、響きを得て置鍼して、さらに線香灸で温める。
耳の奥に響きを感じたり、腹鳴の起こることがある。
鍼を抜いてから円皮鍼を貼る。

●耳のハリが気になってしかたがなかった。女性 29歳。

肩凝りで鍼治療は数回、かかっていたが耳に円皮鍼を貼ったのは始めであった。痛くも何も感じなかったが、顔の近くに鍼が入っていると思うと、すごく気になってしかたがなかった。 指とソーッと触ると硬い物があるなという感じで、鍼の先生が食事の前に20秒間、押しなさいといわれたが、とても押すことができなかった。

●耳のツボの押す方向

耳のツボの硬結は、真横に押すのではなく、ツボによっては斜め下から上に向けて押した方が硬結をとらえて、最も圧痛を強く感じる場合がある。

●コーヒーに砂糖を入れたら、美味しく感じなくなった。女性 47歳。

耳に円皮鍼をした後、いつものようにコーヒーに砂糖を入れたら、なぜか美味しい感じがしなかった。
その次から砂糖を入れないで飲むと、この方がいいかなという感じで、今は砂糖を入れないで飲んでいるという。

●耳のツボを持続圧したら腹が鳴ったので効き目を納得した。女性 31歳。

耳に鍼をして2カ月が経った。あまり痩せない。 
円皮鍼を取り替えるとき、示指で持続圧したら腹がグルグルと鳴った。
患者さん「やっぱり効いているのですね」と納得した様子であった。

●耳の痩せるツボは左右で硬結の大きさが違う場合がある。

この時は硬結の大きい方が指圧して圧痛も強いので、片方だけ円皮鍼を貼っても効果がある。

●貼った円皮鍼を上下・前後にずらすように揉むと効果が高い。

耳のツボに貼った円皮鍼を単に圧迫しても響くが、押したまま上下・前後に少しずらすと刺激が強くなって効果が大きい。

●円皮鍼の長さを短い鍼に代えて違和感が軽減した。女性 34歳。 
最初に円皮鍼の長さ1・2㎜を貼ったところ頭が重くなったので、長さ0・6㎜の短い鍼を貼った。
短くても食欲の低下はあるという。

●赤ちゃんや室内犬のいる家庭では、耳の円皮鍼を床に落とさないように注意が必要である。

赤ちゃんや室内犬のいる家庭の患者さんには、もしも耳の円皮鍼がはがれて床に落ちた場合、それを飲み込む危険性があるので、決して床に落とさないように説明している。

●アルコールの味が変った。女性 51歳。

普段、ウイスキーをロックで飲む女性。
背腰部の右肝兪穴と督脈の筋縮穴(右側)に圧痛があったので、このツボに刺鍼してから耳のツボに円皮鍼を貼ってウイスキーを飲んでもらうと、いつもの甘みのある味がなくなって、辛いだけの味になって美味しく感じなくなった。 

●耳のハリで油料理が嫌いになって2カ月で3㎏、痩せた。男性 45歳。
腰痛で鍼治療にかかった男性。175㎝、80㎏で、やや肥満である。
ジムへ行ってトレーニングをしているのですが、なかなか痩せないですという。
耳の痩せるハリを説明すると、「先生、そういうのって高いんでしょ」と聞くので「この治療中に行うことですから、腰痛の治料金と同じです」と説明してやることになった。
耳のツボは右側に硬結が大きくあって指圧すると圧痛があった。
患者さんに上腹部・胃経募穴・中脘穴を圧迫してもらいながら耳のツボを指圧すると、中脘穴の部位が柔らかくなって圧迫不快感が軽減した。
「今、押したお腹の中脘というツボは胃の弱りが現れるツボなのですが、耳のツボを圧すと弱っている胃を丈夫にすることができるのです」と説明したら「先生、そうするとさらに食べるようになるのではないですか」と聞く。
「それは、違うのです。胃が良くなると大きく伸びきっていた胃が正常の大きさに小さくなって食欲が減るんですよ。さらに耳のハリで脳の満腹中枢や摂食中枢が調節されて食欲が正常になります」
「右の耳に円皮鍼を貼りますから、食事の前に10秒間くらい指圧してジーンとさせて、それから食べて下さい」
他、足三里穴と地機穴、伏臥位で脾兪穴と胃兪穴にも鍼・温灸を行った。
痩せる治療としては15分間くらいであった。
その夜の食事で、耳にハリをしたことは夫人には言わないで食べたところ、油炒めの料理がしつっこく感じて半分残した。
夫人は「どうして残したの」と聞いたので、「実は今日、腰痛の治療に行ったとき痩せる治療もしてもらったら、何だか、油っこく感じる。耳にハリが入っているんだ」と言った。
それ以来、家でも外でも油料理をほとんど食べないようにしたら1カ月で2㎏、体重が減った。
10日に1回のペースで腰痛と痩せる治療でかかって、次の1カ月でさらに1㎏、体重が減って、最初からは3㎏体重が減少した。

●味の変化を実験した。女性32歳。
特に嫌いな味は無いということで、甘い物として羅漢果、塩辛い物として岩塩で行った。関係する臓腑は甘い味に対して脾、塩辛い味に対して腎である。
① 味の確認
治療をする前に食品を含んで味を確かめてもらった。
② 中脘穴の圧迫不快感の確認
背臥位。患者さんの手で上腹部の胃経募穴・中脘穴を圧迫して不快感を確かめた。
③ 耳のツボの取穴
右側は耳輪脚の中央にある田中流のツボであった。
左側は耳輪脚の中央よりも後方に硬結があったので、この硬結・圧痛穴を取穴した。両側のツボを指圧しながら患者さんに中脘穴を圧迫してもらうと不快感が軽減したので、円皮鍼を貼った。 ④ 下肢のツボの治療
腎経で圧痛のあった照海穴、脾経で圧痛のあった公孫穴に円皮鍼を貼った。
⑤ 背腰部の治療
腹臥位。腎兪穴と脾兪穴に1寸3分・00番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼し、温灸をした。3回、繰り返して約15分間、行った。
⑥ 治療直後の味の変化
甘い羅漢果の味が、独特のクセが感じられなくなって柔らかな甘味になった。
塩辛い岩塩の味が、しょっぱさがマイルドになった。
⑦ 家での普段の食事の変化
タルタルソースを作ったとき薄い味で良いように感じて、マヨネーズの使用量が少なかった。お粥も塩味が薄い方が美味しく感じた。
食後にお菓子もよりミカンを食べた。

●苦い味のゴーヤで心に関係するツボを治療して味の変化を調べた。
・実験 

① 水を飲んでもらった後、生のゴーヤを食べて味を確かめた。
② 心に関係するツボを調べると、手の心経・右少海穴と胸部の腎経・左歩廊穴に圧痛があった。
このツボを1分間ほど持続圧した後、1寸・00番鍼を刺鍼して回旋・雀啄し、響きを得て置鍼した。
③ 肩甲間部の左心兪穴に硬結・圧痛があったので1寸3分・00番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼した。
④ 筆者が耳の痩せるツボを左右、指圧した。
⑤ 水を飲んでもらった後、もう一度、生のゴーヤを食べてもらった。

・結果
治療前は苦いだけの味であったが、治療後は苦みにやや甘味が加わった味に変化した。
・考察
自然の野菜は内臓を強化することによって、より美味しく感じられるようになる。
ゴーヤが嫌いな人でも心を強化すると嫌いでなくなる可能性がある。

●塩分と腎の関係を調べた。

実験の女性は塩分に対して、摂り方は多くもなく少なくもなく普通で、好き嫌いはない。
実験
〔坐位〕
 ① 水を飲んでもらった後、塩をなめてもらって味を確かめた。 
② もう一度、水を飲んで、口の中を普通の状態にした。 
③ 足の腎経を調べると圧痛が強くあったのは右照海穴と左太谿穴であった。 このツボを1分間ほど持続圧した後、1寸・00番鍼を刺鍼して置鍼した。 
④ 第5腰椎棘突起から棘突起間を数えて腰椎2腰椎棘突起下の外方1寸5分の腎兪穴に1寸3分・00番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼した。 
⑤ 筆者が耳の痩せるツボを左右、指圧した。 
⑥ 塩をなめてもらった。 
・結果 
味は、治療をする前に比べて、塩辛い味が薄くなった感じであった。 
・考察 
普段、塩分を摂りすぎていない人は、治療の後、味が薄く感じて、もう少し摂ってもよいという感覚になると推測される。 

●甘い味(白砂糖)に対して、脾胃のツボを治療して味の変化を確かめた。

・診断 
背臥位
中脘穴と章門穴を圧迫すると圧痛があって、脾胃の弱りが予想された。
下肢の脾胃のツボで硬結・圧痛の強いツボを調べると、公孫穴と陥谷穴であった。 
このツボを持続圧しながら中脘穴と章門穴を圧迫すると圧痛が軽減した。 
次に田中流・耳の痩せるツボを調べると小さな硬結があって、指圧すると強く圧痛があった。
このツボを持続圧しながら中脘穴を圧迫すると圧痛が軽減した。 
坐位 
第5腰椎棘突起の下部から数えて第11棘突起下部を調べ、その横の脾兪穴と意舎穴を指圧して硬結・圧痛を調べると脾兪穴に圧痛が強くあった。 
○ 砂糖を少量、口に含んで味を確かめてもらった。 
○ 水を飲んで、口の感覚を普通の状態にした。 
・治療 
足部の公孫穴と陥谷穴に1寸・00番鍼を刺鍼して運鍼し、響きを得て置鍼した。
背部の脾兪穴に1寸3部・00番鍼を刺鍼して運鍼し、響きを得て置鍼した。 
筆者が耳の痩せるツボを示指持続圧しながら、もう一度、砂糖を口に含んで味を確かめてもらうと、最初に較べて味は濃く感じた。
・推測 
甘い物を食べすぎて脾胃が弱っている人は、甘い物の味が本来の味よりも薄く感じて食べすぎている。 
耳のツボの治療と脾胃の弱りを強化する治療を行うと、正常な味の感覚を取り戻して濃く感じるものと推測される。 

●痩せる耳ツボの円皮針は患者さんの体調によって反応が違う。女性29歳。

耳のツボの治療を希望されたので中脘穴の圧迫不快感を調べておいて、耳のツボの圧痛を指圧すると、中脘穴の硬結が軟らかくなって圧迫不快感が軽減した。
これで効果があると判断して円皮鍼を貼った。
1回目に貼ったときは食欲がないときであった。痩せると言われたけどかえって食欲が出たという。 2回目の後は少し食べすぎていたせいか食欲が減った。
以前、食欲のないお婆さんに耳のハリをしたら、食欲が増したという例があったので、同じにハリをしても、食欲のない人は食欲が出て、食べすぎている人は食欲が減るということが分かった。

 ●耳のツボの指圧で食欲が軽減した。女性39歳。

按摩治療の患者さんである。肩凝りを揉みながら痩せる耳のハリの話しになった。「耳にハリをすると痩せるというけど、私、鍼は怖いの」という。「指圧でも根気よく、やると効くと思いますよ」と説明して仰向けになってもらった。
田中流痩せる耳のツボを左右指圧して調べると、左側に硬結と圧痛がはっきりとあった次に上腹部の胃経募穴・中脘穴を圧迫すると圧迫不快感があった。
患者さんの手で中脘穴を圧迫してもらって不快感を確認してもらい、手の圧をゆるめて、筆者が左側の耳のツボを指圧してジーンさせてから、もう一度、中脘穴を圧迫してもらうと不快感が軽減していた。 
「耳のツボでお腹が楽になるなんて不思議です」という。
「田中流の方法は、内臓を弱らせて食欲を減退させるのではなく、内臓を丈夫にして食欲を減退させるのですよ」と説明した。
耳のツボの指圧を約60秒間行うと圧痛がスーッと軽減したので治療を終了した。
患者さんの手を取って耳のツボを押さえて「ここですよ」と教えて、「自分で食事の前にこのツボを30秒間くらい指圧してジーンと感じたあとに食事をすると食欲が減退します」と説明した。 
その日の夕食で早速、やってみると食後に甘い物を少し食べていたのが、何となく食べたくない気持ちになって食べなかった。 
10日後に来たとき1㎏体重が減っていた。
耳のツボの指圧だけでも食事の前に毎回、行うと食欲が減って体重が減少する。 

●痩せる耳ツボのハリと内臓強化の鍼・温灸治療で臭いが変わった。
・体調が悪い時は臭いに敏感過ぎて困る。女性 44歳。

住んでいるマンションの外壁を塗装することになった。その塗料の臭いがすごく嫌な感じがして食事ができないという。
この患者さんは長いこと治療にかかっている人で、内臓の弱りは腎と婦人科(卵巣膿腫)、心臓である。
中医学の五行の五役(五臓の受け持つ役割)で、「臭いは心」に関係が深いと説明している。 
今回は中学生の息子さんが野球の練習に行くために、朝、早く起きることが続いて寝不足で体調が悪くなって臭いに敏感になった。
・治療 
背臥位で、温灸に火を付けて鼻の近くにもっていき、臭いをかいでもらった。
次に耳の痩せるツボを指圧しながら、腹部で最も圧迫不快感のあった中脘穴を圧迫すると不快感が軽減したので円皮鍼を貼った。
心臓に関係のある左胸部・腎経・歩廊穴と前腕部・心経・通里穴を指圧すると圧痛があったので、1寸・00番鍼で刺鍼して運鍼して響きを得て抜鍼した。 腹臥位になってもらい背腰部に診断按摩を行うと、左心兪と神堂穴に硬結・圧痛があったので、1寸・00番鍼で刺鍼して響きを得て置鍼して温灸をした。
鍼を抜いて背臥位になってもらい、もう一度、温灸の臭いをかいでもらうと、最初よりも感じられないような気がするという。
しかし治療中に温灸の臭いをかいでいたので、鼻が慣れたのかも知れない。
最後に歩廊穴と神堂穴に円皮鍼を貼って帰ってもらった。
次に日に電話があって、臭いは半分くらいにしか感じないようになったと連絡があった。

●痩せる耳のツボのハリと内臓強化の鍼・温灸治療で嗜好品の味が変わる。
肺兪穴の鍼・温灸でタバコの味が苦く感じた。女性 44歳。

パートで仕事に出たとき、1日5本くらいタバコを吸う。
タバコに関係の深い肺経のツボに診断按摩を行って硬結・圧痛を調べた。上肢・肺経では左魚際、肩甲間部・背腰部では左肺兪であった。治療時間は1回、20分間、1日置きに7日間で4回、治療した。
1回目 
左魚際に03番鍼で刺鍼して回旋・雀啄して響きを得て置鍼した。
左肺兪に1寸3分・0番鍼で刺鍼して回旋・雀啄し、2分間くらい、おだやかな響きを感じさせて置鍼した。
次に左肺兪に温灸を約2分間、行った。
この鍼の運鍼と温灸を1セットとして4回、行った。
最後に痩せる耳のツボに円皮針を貼った。
治療直後、タバコを吸ってもらうと特に味の変化はなかった。
2回目、1回目と同様に行った。
治療直後、タバコを吸うと舌に苦いような感覚が少し起こった。
3回目
治療直後、舌とのどに苦い味を感じた
4回目
前回の治療の後、舌に苦い味がしばらく残っていたという。
今回の治療では、やはり舌とのど、さらに口の中の上あごに苦い味を感じた。
その後、電話で聞くとタバコを吸うと2日くらい苦い味を感じていたが、タバコを止めたくなるほどの嫌な感じにはならなかったという。
この実験から集中的に治療を行うと苦さをハッキリ感じるようになるので、さらに続けると苦みが強くなって吸う本数が少なくなるか、あるいは吸わなくなる可能性があると思われる。 

 ●硬結・圧痛のあった肝兪穴に鍼・温灸をすると、肉の味がいやな味に変わった。女性 44歳。

飲食の傾向はワインが好きで、食事は和食が中心だが洋食もたまに食べる。
体型はやややせ型。
左志室と左胃兪、右肝兪に硬結・圧痛があった。
右の肝兪だけに1寸3分・00番鍼で刺鍼して、気持ちよい響きを得て置鍼し、温灸をした。
刺鍼して回旋・雀啄すると胃に響いた。
温灸をすると、右肋骨の内部に響きを感じた。
右肋骨内部への響きは、肝臓に刺激が行っているのは確かだが感じたのは胆嚢であったかも知れない。
耳のハリは中脘の圧迫不快感を調べて、耳のやせるツボを指圧すると軽減したので両側に円皮針を貼った。
毎日、1回、約30分の治療を3回、続けたところ、いつも食べている豚肉の味が嫌な感じになって、その嫌な感じが舌に残った。
肉の食べ方は、油を使わなくてもよいフライパンで焼いて塩を少量ふって食べた。
実は、この女性患者さんの母親が、長い間、月1回から2回のペースで治療にかかっている。アルコールを飲む人である。
豚肉の味が変わったことを母親に言ったら、母親は「私はだいぶ前から、そうだった」と言ったそうだ。
また、以前、他の女性の中年患者さんで、アルコールを飲む人で、志室と肝兪にいつも治療をしていたら、アルコールを飲んで酔うまでの量が少なくなったことと、肉が美味しくなくなったという例がった。 

●耳の痩せるツボのハリと内臓強化の鍼・温灸治療で痩せることができる  

① 過食と甘い物の食べ過ぎを改善できる治療
・脾と胃の治療を徹底的に行う。
下肢では地機(食べ過ぎで硬結・圧痛が現われるツボである)と足三里、背腰部では脾兪・意舎と胃兪・胃倉で最も硬結・圧痛のあるツボに治療を行う。
摂食中枢を調整するツボとして頭頂部の督脈・百会に、鍼を顔の方に向けて刺鍼する。
徹底的治療とは、最も硬結・圧痛のあるツボに1寸3分・00番鍼を刺鍼して3~5分間響きを持続させる。その後、温灸をして腹の中が十分に温まるまで行う。

② アルコールと脂っこい物の摂り過ぎを改善できる治療
・肝と胆の治療を徹底的に行う。
下肢では肝経の太衝、曲泉、胆経の足臨泣、陽陵泉、背腰部では肝兪・魂門と胆兪・陽綱で最も硬結・圧痛のあるツボに治療を行う。

③ 身体を温めて体温を上げ、新陳代謝を促進する治療。むくみを改善する治療。 
・腎と膀胱の治療を徹底的に行う。
下肢では腎経の照海、太谿、膀胱経の申脈、委中、背腰部では腎兪・志室・関元兪などで最も硬結・圧痛のあるツボに温灸を重点的に治療を行う。

④上肢・下肢と背腰部の最も反応のあるツボに円皮針を貼って、治療効果を持続させる。

⑤耳の痩せるツボには、最も硬結・圧痛のあるツボに正確に円皮針を貼る。
飲食をする前に、必ず円皮針を圧迫して響かせてから飲食するように指導する。

● 百会穴と五臓のツボを加えると痩せる効果が強くなる

田中流の耳のツボを刺激すると胸腹部・募穴の圧迫不快感が軽減する。
従って胸腹部内臓の弱りを改善して食欲を減退させる働きがあると考えられる。
この耳のツボの治療に加えて、さらに身体のツボとして頭頂部の百会穴と五臓のツボに治療を行うと味覚が正常になって痩せる効果が発揮される。
百会穴は脳神経と関係が深く、摂食中枢と満腹中枢に影響すると考えられる。
五臓は、それぞれ関係する食べ物の味が決まっていて、適量は蔵を生かし、少な過ぎ、または多過ぎは蔵を破るとなっている。
・腎の志室穴あるいは腎兪穴と太谿穴の硬結・圧痛に治療を続けると、塩辛い物の味が濃く感じるようになって、薄味でよいようになる。
・脾の意舎穴あるいは脾兪穴と公孫穴の硬結・圧痛に治療を続けると、甘い物の味が濃く感じるようになる。
・肝の魂門穴あるいは肝兪穴と太衝穴の硬結・圧痛に治療を続けると、アルコールに弱くなって、少量でよいようになる。
反対にお酢が嫌いな人は、お酢味の物を食べられるようになる。
・心の神堂穴あるいは心兪穴と通里穴の硬結・圧痛に治療を続けると、苦い物であるコーヒーなどの味が濃く強く感じられて薄味が好みになる。
反対に苦瓜などの苦い味の物が苦手だったのが食べられるようになる。
・肺の魄戸穴や肺兪穴と魚際穴の硬結・圧痛に治療を続けると、辛い物である唐がらしなどの味を濃く感じて薄味を好むようになる。
反対に辛い物がたべられなかった場合、少量なら食べられるようになる。

最初に何も治療をしないでコーヒーを飲んで味を確かめる。 
次に耳に円皮鍼を貼り、百会に前方に向けて刺鍼、圧痛のある通里穴と神堂穴に刺鍼してコーヒーを飲んで味の変化を確かめる。 

●耳に円皮鍼を貼ったとたんに、胃がグルッと鳴る患者さん  女性 38歳

耳の痩せるツボに円皮鍼をすると、3回に1回くらいの割合で胃のあたりでグルッと腹鳴が起る。
患者さんは「効いているのですね」と納得している。

●満腹中枢と摂食中枢

脳の中の視床下部に満腹を感じさせる満腹中枢と、空腹を感じさせる摂食中枢がある。
満腹を感じるのは、食事から得たグルコースが血液中に増えて、これが満腹中枢を刺激して起こる。
空腹を感じるは、体内の脂肪が分解されて脂肪酸になり、これが摂食中枢を刺激して起こる。
満腹中枢と摂食中枢を同時に刺激できるツボは、田中流の痩せる耳のツボである。
食べすぎている人に対して食欲減退の作用があり、反対に食べられない人に対しては食欲増進の作用がある。
高齢の婦人で食欲がないという患者さんに、痩せる耳のツボに円皮鍼を貼ったら少し食欲が出た経験がある。
しかし、最も強力に作用するツボは、五味に対する五臓の兪穴(あるいは2行線のツボ)である。
塩辛い味に対する腎、甘い味に対する脾、酸っぱい味に対する肝。
患者さんがこれらの味の飲食物を摂りすぎている場合、兪穴と経絡的に関係する手足のツボに刺鍼して内臓を強化する治療を行うと、大抵は味を濃く感じたり、まずく感じて少なく飲食する傾向になる。
肝に対するアルコールの例では、少量で酔いが感じられるようになる。
すなわち肝臓が自ら、肝臓の弱りを回復する適量のアルコールを判断するようになる。
従って、食欲をコントロールする治療は耳の鍼と、特に摂り過ぎている味の内臓を強化する治療で、満腹中枢と摂食中枢をコントロールすることができると考える。

●味の実験のまとめ 
(講習会で、耳のツボの指圧・円皮鍼と背腰部・手足の刺鍼で味の変化を実験した) 

⑴ 講習会での変化
・好きな味は甘味が多く、嫌いな味は酸味が多かった。
・刺鍼による実験の結果は、好きな味と嫌いな味が共に「濃く感じた」が「薄く感じた」よりも、やや多かった。
・推測:普段食べている味が実は濃いのだが濃く感じられないで、刺鍼による内臓改善の効果によって本来の味覚を感じるようになると考えられる。
実際はもっと薄い味でよいわけである。
⑵ 自宅で食事の変化
・10例の内、食欲がなくなったのは3例、食欲が出たのは2例、変化がなかったのは4例、その他1例ということで、はっきりとは食欲減退の効果が認められなかった。
・食事をしているその時に、耳のハリを圧迫してジーンとさせると効果があっただろう思われる。
⑶ その他
電話したら耳のハリが当たって痛かった。
耳にハリをしたまま、横になって寝たら当たって痛かった。
2歳の子供が私の耳を触るので取ってしまった。
⑷ 注意
1週間以上、貼り続けていると円皮鍼の刺鍼部が発赤することがある。
貼り替えるときは2㎜くらいずらして貼る。あるいは貼らないで治療では指圧をし、患者さんにも食事の前に自分でツボを指圧するように指導する。
背腰部や手足のツボは貼り続けるとよい。 

●耳の痩せるツボを応用して、タバコの味の変化を実験した。 NEW!
女性 35歳。1日に10本ほど吸う。

⑴ ツボの診断
①痩せる耳のツボの硬結・圧痛を調べた。
特に左側に強く硬結・圧痛があった。
②呼吸器に関係の深い肺兪穴の硬結・圧痛を調べた。
特に右側に強く硬結・圧痛があった。
③上肢で鼻に関係の深い大腸経と呼吸器に関係の深い肺経のツボを調べた。
大腸経・合谷穴と肺経・魚際穴に硬結・圧痛があった。
⑵ 実験
①いつも吸っているタバコに火をつけて、まず臭いをかいでもらい、次に吸って味を確かめてもらった。
②刺鍼
右合谷穴と魚際穴に5分の0・10番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼。
左右肺兪穴に1寸3分の00番鍼を刺鍼して響きを得て置鍼。
痩せる耳のツボに円皮鍼を貼付して、その上から示指で圧迫。
③刺鍼して耳のツボを圧迫した状態で、タバコの臭いをかいでもらい、次に吸ってもらった。
・臭いは薄く感じた。
・味が薄く感じた。
④置鍼したツボにすべて円皮鍼を貼付して、次の日にタバコの味の変化を聞いたところ、やはり薄い感じがするとのことだった。
本数が減るほどの効果はまだなかった。

●耳の痩せるツボと、足部・肝経・太衝穴、背部・肝兪穴の指圧と円皮鍼でビールと日本酒の味の変化を実験した

● 女性 35歳 アルコールは強い。
① 治療室での実験
ビールの味が、治療する前に較べて炭酸の味を強く感じた。
日本酒・純米酒は、日本酒の旨さが感じなくなった。
② 家に帰って食事
いつも飲むウイスキーの水割りの味が濃く感じて、3杯の定量が1杯で酔ってしまい飲むのを止めた。
お酢味のおかずを食べたら、お酢がきつく感じた。

● 男性 32歳 アルコールの強さは普通。
① 治療室での実験
ビールの味が、治療する前に比べて、まろやかさがなくなり、シュワシュワした炭酸を感じた。
日本酒・純米酒は、味が薄くなったような感じであった。
② 家に帰って食事
いつも飲んでいるビールの味が薄く感じた。
食欲は普通であった。

●耳のハリでやせられますか? 女性 35歳  

「先生のホームページを見たら、痩せる耳のハリとでていたのですが効きますでしょうか。私は以前、他の治療院で耳のハリにかかったことがあるのですが、効かなかったのです」という。
そこで、田中流の痩せる耳のハリの説明をした。まず「田中流の耳の痩せるツボは、今までのツボと違います」と言って、耳の中の圧痛のあるツボを指圧した。
次に胃の調子を現す腹部の胃経募穴・中脘穴を圧迫して圧迫不快感を調べた。
耳のツボを指圧しながら、もう一度中脘穴を圧迫すると柔らかくなって圧迫不快感が軽減した。
「この実験から、この耳の圧痛のあるツボに円皮鍼を貼ると、胃の状態を常に良い状態に保つことができます。胃がよい状態を保つというのは、胃を悪くする食べ物の味や量を自然に制限するようになるということです。つまり食べすぎている人は食べられなくなり、味の濃いものを食べている人は薄い味が美味しい味になります。確実に食欲を減退させる方法は、食事の前に耳のハリをしてあるところを30秒間、指で圧迫してジーンとさせて下さい。その後、食事をすると普段の量よりも食べられなくなります。
食事の内容も、できるだけ固めで薄味の物をよく噛んで食べるようにして下さい。まず、ご飯を固めに炊いて食べることが大切です。
痩せるためには、油料理を食べないこと。またケーキなど動物性油脂を使ったものを食べないことが大切です。食事の前にミカンやリンゴを食べると食事の量が減り、カロリーを吸収しずらくなるので痩せることができます。
痩せるには便通をよくすることも大切で、発酵食品の味噌や酢が良いです。
1週間に1回、耳の円皮鍼を取り替え、他、内臓の弱りを改善する治療を続けると痩せることかできます」と説明した。

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