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按摩治療・臨床発表

●妊娠3か月、仙腸関節の前上部離開法と前下部離開法が気持ち良く感じる 女性 36歳NEW!

少しお腹が膨らんできた様子がうかがえる。
お腹が膨らむためには、腸骨の前側が開かなければならない。
手技は前上部離開法と前下部離開法である。
特に左側の前下部離開の方が気持ち良く感じた。
1回、約30秒間の持続手技を3回、行った。
反対の側臥位になって1回、10秒間の手技を2回ずつ行った。
終って背臥位で、膝関節屈曲位で股関節を外転すると痛みが軽減して大きく外転することができた。 

●額のアトピー皮膚炎に後頭骨/環椎関節の風池穴の離開法が効いた。女性 29歳NEW!

額の胆経・陽白穴にアトピーがある。
背臥位で風池穴の離開法を約1分間、持続して行ったところ、アトピー患部が痒くなった。さらに持続して行うと痒みが軽減した。

●後頭骨/環椎関節の内天柱穴の離開法で腰の痛みが再現した。女性 41歳NEW!

腰痛の治療の最後に背臥位で内天柱穴の離開法を行った。さらに腰痛を改善できると思って行ったところ、かえって痛みが強くなった。
まだ腰痛が改善していないときに刺激の強い手技を行うと、一時、痛みが強くなることがある。

●О脚治療で肝兪穴の位置する胸椎9/10椎間関節の逆捻転を行って、膝のО脚徒手矯正を行ったところ、膝が軟らかくなり徒手矯正の痛みが軽減して強く行うことができた。

●腰椎2/3椎間関節の逆捻転で血圧が下がる。

扁桃腺は両側、腫れるが左側のほうが腫れていてツバを飲み込むと痛いという。背臥位で左側に出っ張っていた第2頸椎棘突起を右側に圧迫して頸椎2/3椎間関節の滑り法を行うと扁桃腺の所に響いた。
次に後頭骨/環椎関節の風池穴の離開法を行うと、さらにはっきりと響いた。
1分間行ってツバを飲んでもらうと、だいぶ痛みが軽減した。さらに1分間行ってツバを飲み込むと、痛みはほとんど感じなくなるまで改善した。

●腰椎2/3椎間関節の逆捻転で足の母趾の裏に響いた。男性 63歳

右上側臥位で第5腰椎から、椎骨、ひとずつに逆捻転を行うと、筆者の手ごたえとして
腎兪穴の位置する腰椎2/3椎間関節ですごく硬く感じた。逆捻転を持続して行うと足の母趾の裏にジーンとした感覚がおこったあと、 腓腹筋内側部に伝わってきた。
そこは寝ていてよく足がつるところであった。

●生理で乳房が張るという症状が、中指の関節運動法で軽減した 女性 36歳

心包経が乳房の乳首の外側から始まって、上肢内側を下って中指で終わっている。
乳房は左側の方に張りが強いというので、右手で左乳房を揉んでもらいながら、左手の中指に関節運動法を行った。
手関節を背屈して基節骨底部に示指、中節骨底部に中指、末節骨底部に環指を当てて背側に圧迫して背屈と凹滑り法を行った。
手技を行いながら乳房を揉んでもらうと、硬さがほとんどなくなってフニャフニャになった。
治療師のようにはできないけど、自分で中指を反らすだけでも効くけど、3本の指先を関節にあてて背屈しても効果がありますよと説明した。

●左の扁桃腺が腫れるという症状に上部頸椎の関節運動法で改善した。女性 28歳

扁桃腺は両側、腫れるが左側のほうが腫れていてツバを飲み込むと痛いという。
背臥位で左側に出っ張っていた第2頸椎棘突起を右側に圧迫して頸椎2/3椎間関節の滑り法を行うと扁桃腺の所に響いた。
次に後頭骨/環椎関節の風池穴の離開法を行うと、さらにはっきりと響いた。
1分間行ってツバを飲んでもらうと、だいぶ痛みが軽減した。
さらに1分間行ってツバを飲み込むと、痛みはほとんど感じなくなるまで改善した。

●右のこめかみの痛みが第2趾の関節運動法と胃兪穴の位置する胸椎12/腰椎1椎間関節の逆捻転で軽減した。女性 32歳
背臥位

今は痛くないが、たまに右のこめかみが痛くなるという。
こめかみのどの辺ですかと聞くと、胃経の頭維穴を指さした。
胃経は頭の頭維穴からつながって足の第2趾で終わっている経絡である。
患者さんの指で頭維穴を指圧して痛みを感じた状態で、右の第2趾の中足指節関節の底屈と凹滑り法(第2中足骨を固定して基節骨を底屈する)、同時に指節間関節の背屈と凹滑り法(基節骨・末節骨を背屈する)を行ったところ、痛みが軽減した。
ジーンとした感覚がほとんど感じなくなるまで、1分間の手技を2回行った。

右上側臥位
胃兪穴の位置する胸椎12/腰椎1椎間関節の棘突起間を触診すると間隔が詰まっていて圧痛があった。
その横の筋を指圧すると硬結があった。
胸椎12/腰椎1椎間関節部に手根の豆状骨を当て、斜め上方に圧迫して逆捻転を行った。
ジーンとした響き的な感覚が起こったので頭維穴を指圧してもらうと圧痛が軽減した。
3分間の持続手技を2回行った。

背臥位
後頭骨/環椎関節の完骨の離開法を行った。
この手技をおこないながら頭維穴を指圧すると痛みが軽減した。
治療が終わって、頭維穴を指圧してもらうと、ほとんど痛みは感じなかった。        

➀ 仙腸関節の前屈と後屈の手技を呼吸に合わせて行うと、呼吸が楽にできるようになる   

側臥位
「息を吸って」と指示して後屈(仙骨下部を圧迫)する。
「息を吐いて」と指示して前屈(仙骨上部を圧迫)する。
他、背部に位置して行う、呼吸を楽にする手技

②肋横突関節の滑り法
肩甲骨内縁で、第2肋骨の下側に指を当て、肋骨と腕を上げながら「息、吸って」
肋骨と腕を下げながら「息、吐いて」と行う。

③胸椎3/4椎間関節の関節運動法
第4胸椎棘突起を中指で圧迫固定して肩を背部に押しながら(順捻転)「息、吸って」、
第3胸椎棘突起を中指で圧迫固定して脇腹を背部に押しながら(逆捻転)「息、吐いて」と行う。        

●目の下にクマのある男性、風池穴の離開法で響いた。男性 46歳

目の下にクマがある。背臥位で風池穴の離開法を行うと「クマの部分が上から圧迫されているような感覚です」という。
1分間の持続手技を3回行った。
筆者が見た感じではクマは薄くなっていないが、患者さんは目がすごくスッキリした感じになったと言った。        

●右耳が塞がった感じに対して、腎兪穴の位置する腰椎2/3椎間関節の逆捻転を行った。女性 54歳

右上側臥位。耳の症状は腎の弱りから起こっていることが多いので、腰椎2/3椎間関節に逆捻転を持続して行うと、耳の中の鼓膜が動いてボコボコと感じた。
1回、約20秒の持続手技を5回行った。
ボコボコの感じは3回目くらいで起こらなくなって、5回目の時は温かい感じがした。
終って座ると塞がった感覚が微かに残る程度に改善していた。         

●右上肢、大腸経の手三里穴の痛みに対して、頸部の右側屈と滑り法を行った。女性 73歳。

手技を行うと返って痺れるような痛みが強くなったが、我慢してもらって持続手技を3回、続けた。
手三里穴への響き方が無くなったので、患者さんに自分で手三里穴を揉んでもらうと、痛みはほとんど感じなくなっていた。         

●右手三里穴の痛みに対して、頸椎2/3椎間関節の左側屈と滑り法で軽減した。女性 44歳。 

右腕の大腸経・手三里穴にいつも痛みがある。
背臥位で手の示指の掌屈と凹滑り法を行った。手三里の部分がジーンとして気持ちよいという。
次に右上側臥位で胸椎3/4椎間関節の逆滑りと逆捻転を行った。 
手の三里穴を患者さんの手で揉みながら行ったところ、この手技で圧痛が軽減することが分かった。
1分間の持続手技を3回行うと、痛みがほとんど起こらなくなった。
治療中に普段、感じる痛みが再現される場合、その痛みが軽減するまで行うと大変に効果がある。
2回目の治療でその後、手三里穴の痛みは気にならなくなったと報告してくれた。

●仙腸関節の手技で前屈上方滑り法が治療手技になることが多い理由

立位で体幹を前屈すると、仙骨は前屈して下方(足方)に滑る。 
従ってこの動作で腰に痛みが出る場合は、仙骨の前屈下方滑りがスムーズに行われないためである。 
しかし実際に腰痛を治療すると、前屈下方滑り法よりも前屈上方滑り法が治療手技になることが多い。 
その理由 
仙腸関節は上半身の仙骨を下肢の腸骨が支える構造になっている。 
腰痛を起こすのは、腸骨が左右に開いて、仙骨が正常な位置よりも足方にずれた位置の関節になっていると推測される。
理論的には仙骨を足方に滑らせた方が治療になるのであるが、仙骨がすでに足方にずれた位置で固定されているので、頭方への上方滑りが治療手技となる。 

● 頸椎1/2椎間関節で第2頸椎棘突起が後方に変位している場合、第2頸椎を前方に矯正すると、全身の症状を改善する効果がある。

その一つの証明
患者:背臥位 
①両手を握って手関節を掌屈する。
 両手を開いて手関節を背屈する。
②両足の足指関節を底屈しながら足関節を底屈する。
 両足の足指関節を背屈しながら足関節を背屈する。
③大きく胸で呼吸する。大きく腹部で呼吸する。
その感覚を覚えておく。 
治療師:頭上に位置して第2頸椎棘突起を左右の示指・中指の4指で天井側に圧迫する。 
患者はもう一度、手と足を動かし、大きく呼吸をしてみる。 
手足の関節が滑らかに動いて筋に力が入り、呼吸が深くできることがわかる。 

●後頭骨/環椎関節(風池穴)の離開法は身体のすべての関節の関節包内機能異常(関節が滑らかにうごかないこと)を調節して筋力を向上させることができる。
 
その一つの証明 
患者:背臥位 
①両手を握って手関節を掌屈する。 
両手を開いて手関節を背屈する。
②両足の足指関節を底屈しながら足関節を底屈する。
両足の足指関節を背屈しながら足関節を背屈する。
③大きく胸で呼吸する。大きく腹部で呼吸する
その感覚を覚えておく。
治療師:頭上に位置して両側の風池穴離開法を30秒ほど行なって、患者はもう一度、手と足を動かし、大きく呼吸をしてみる。
手足の関節が滑らかに動いて筋に力が入り、呼吸が深くできることがわかる。

●関節運動法と指圧で何度もゴキゴキと関節が鳴った。女性 65歳 

腰痛ということで按摩と関節運動法にかかった初めての患者さん。 
最初に左上側臥位で腰部に逆捻転を行ったところ腰椎2番あたりの関節がゴキッと鳴った。次に順捻転を軽くストレッチ的に行ったところゴキゴキと3箇所くらい関節が鳴った。反対の横向きになってもらい同じように行うとまた鳴った。 
腹臥位になってもらい腰部に指圧をするとまた鳴った。 
手技を行うとことごとく関節が鳴る患者さんであった。 
いろいろ話を聞くと、腎機能がかなり悪いということであった。 
終わって立ってもらい体幹の前屈、後屈をしてもらうと腰痛は90%程度、改善していた。 
筆者の経験であるが、腎の弱い人は腰部や頸部に関節運動法を行って鳴ることが多い。 

●内天柱穴の離開法を強力に行って鼻詰まりを改善した 女性 32歳  

左側だけ鼻詰まりがするという症状に対して、左内天柱穴に右中指を当てて、その上から左中指を重ねて強力に離開法を行った。 
1分間の持続的手技を、2回、行ったところ鼻が通った。 

●口の横、左の口角が切れた。女性 28歳。 

背臥位  
筆者の経験上、口の周囲の症状は頸椎2/3椎間関節機能異常に関係が深いので、第2頸椎棘突起のズレを調べると左側に回旋していた。 
第3頸椎棘突起を右側から圧迫固定して、第2頸椎棘突起を左側から右側に圧迫して滑り法を行うと、左の口角にかすかに響いた。
1回の手技を10秒間、持続して5回、行うと口角への響きが起こらなくなったので、患者さんの手で触ってもらうと痛みは半分以上、軽減していた。

●仙腸関節の後屈下方滑り法で、下腹部に空間ができて息が入る。女性 39歳。肥満

仙腸関節の機能異常を調べると左上側臥位で、後屈下方滑り法を行うと響き的な感覚が強く起こった。
この手技を30秒間くらい持続して行うと、下腹部に空間ができて息が入る感覚になった。 
響き的な感覚が起こらなくなるまで、1回の手技、10秒間を3回、行った。

●高齢者は腰椎が後彎になっていることが多い。仙腸関節も後屈(仙骨の上部が後屈)になっている。 

腰椎後彎を改善できる仙腸関節の治療手技は前屈上方滑り法である
腰椎後彎の改善には、腰椎の逆捻転が最も効果がある。 

●うつ伏せで寝た時に、いつも顔を左に向けていて右に向きにくい。女性 27歳。 

治療 背臥位 
頸椎の上下棘突起間の滑り法、後方伸展と滑り法をして頸椎の右回旋と滑り法を3回、行った。 
最初、回旋すると痛みが出たので回旋の可動域を小さくして行い、次第に大きくして4回目には充分に回旋して行うことができた。 
5回目に治療師が回旋して、その限界で患者さんにも右回旋に力を入れてもらった。 
坐位になって頸を左右に回旋してみると、左回旋とほぼ同じに右回旋もできるようになっていた。

●右中指(近位指節間関節)のバネ指の改善 

中指を掌屈位から背屈すると近位指節間関節が強張って、クキッと鳴ってから伸ばすことができる。 
治療 
➀ 離開法
 靱帯が縮んで関節がくっついていると判断して基節骨を固定して
 中節骨を引っ張った。 
➁ 背側の滑り法
 基節骨を固定して中節骨を引っ張りながら背側への滑り法を充分
 に行った。 
➂ 背屈と凹滑り法
 基節骨を固定して中節骨を引っ張りながら背側への凹滑り法を充分
 に行った。 

最初、背屈する度にクキッと音が発生したが、10回くらい行うと音が小さくなった。 
自分で掌屈して背屈してもらうと治療前にくらべて、だいぶスムーズに伸ばすことができるようになった。 

●脊椎椎間関節の逆捻転は脊椎管狭窄症に効く女性 72歳 

主訴は、歩くと右膝の内側部、肝経・曲泉穴あたりがしびれである。左側も少し症状がある。 
病院のMRIの検査で脊椎管狭窄症と診断されて、手術を勧められている。 
治療 右上側臥位 
①下肢の症状の治療関節として関元兪穴の位置する仙骨/第5腰椎椎間関節の逆捻転が重要である。 
この関節の棘突起間を調べると圧痛があった。逆捻転をすると右膝にスーッとした感じがするというので、この感覚がなくなるまで1回、10秒間の持続手技を3回、行った。 
②肝兪穴の位置する胸椎9/10椎間関節の逆捻転 
棘突起間を調べると詰まりと圧痛があったので関節機能異常があると判断した。 
この関節の関節運動法は、患者さんの腹部側と背部側に位置して行う、2つの方法があるのだが、今回は背部に位置して順滑り法と逆滑り法を行い、次に逆捻転を行った。 
この関節の正確な逆捻転を行う方法は、第9/10棘突起間の外方に豆状骨を当てて手技を行い、その響き的な感覚を覚えてもらい、その上と下、1㎝くらい部位にも逆捻転を行って、3箇所の内、最も響き的な感覚の強い部位に手技を行うと、豆状骨が第9胸椎下関節突起を押し上げて逆捻転を行うことができる。 
最も響き的感覚の強い部位に逆捻転を持続して4回、行ったところ感覚が起こらなかった。終わって歩いてもらうとシビレ感は半分くらいになっているとういう。見ても歩行が早くなっていた。
脊椎管狭窄症の原因の一つに、椎間板軟骨がつぶれて後方に出っ張っていることが指摘されているので、逆捻転は椎間板を広げる手技なので症状を改善することができる。
 

●口を大きく開けた時の顎関節の違和感が、完骨穴の離開法で軽減した。 

口を大きく開けると右顎に違和感があるというので、背臥位に寝てもらい右完骨部のツボである完骨穴と天牅穴の圧痛を調べると、左側の同じツボよりも圧痛が強かった。
左右の完骨穴の離開法を同時に行うと右側の方に強く響く感じがするというので、右側だけに手技を行って口を大きく開けてもらった。 
手技を行いながら口を5回、開けてもらうと、だいぶ開けやすくなったので終了した。 

●左唇の横、地倉穴の赤みが、頸椎2/3椎間関節の上下棘突起の滑り法で改善した。女性 36歳。 

背臥位でこの関節に手技を行うと、微かにジワッと響くというので、1分くらいの持続手技を3回、行ったら響きが起こらなくなった。
地倉穴は胃経のツボなので、左足の胃経の指である第2趾に関節運動法を行った。第2中足骨を固定して基節骨を底屈し、指節間関節を背屈する凹滑り法を行うと、これでも地倉穴に響いた。
治療が終わって更衣室で着替えて鏡を見たとき、薄くなっていると言った。  

●唇の赤みが頸椎2/3椎間関節の滑り法で軽減した。女性 32歳。 

初診の患者さんである。 
「症状はどんなことですか?」「実は、口の横が赤くて気になっているのです」 見ると唇の左側の端、頬の部分が赤くなっている。 
胃経の地倉穴なので、「胃の弱りはないですか」「少しあります」 
背臥位になってもらい、患者さんの手で上腹部の胃経募穴・中脘穴を圧迫してもらって不快感のあることを確かめた。 
筆者は頭上に位置して、後頸部を触診すると第2頸椎棘突起が左側に回旋して出っ張っている。 
第3頸椎棘突起を右から圧迫固定して第2頸椎棘突起を左から右に圧迫した。 後頸部がジーンとするという。 
「顔のどこかに響くような感じがしませんか」と聞くと「右の口のところがジーンとします」 
中脘穴を圧迫してもらうと、このツボの不快感も軽減した。
ジーンとした感覚が起こらなくなるまで1分間の持続手技を2回行った。
治療が終わって赤い部分を見ると、かすかに薄くなっていた。 

●右腰が上がっている症状の改善 女性 42歳。 

立位で右腰が上がっている。ベッドに坐ってもらい左右に側屈してもらうと右側屈の角度が少ない。そこで治療師が背部に位置して、仙骨の右側を下方(足方)に押し下げながら、患者さんに右側屈をしてもらった。3回行って、左右に側屈してもらうと最初よりもだいぶ改善した。もう3回行って、右側屈してもらうと80%くらい改善した。立って姿勢を診ると最初よりも50%程度改善していた。

●右足関節の背屈のストレッチをすると、右ふくらはぎが硬く感じる 女性 44歳

背臥位で両足関節を同時に背屈してもらうと、右足背屈の関節可動域がやや少なく、ふくらはぎに強張りを感じるという。 
右上側臥位になってもらい、腰部に第5腰椎から第1腰椎まで逆捻転を行うと、第5と第2で伸ばされた感じが強いという。そこで足関節を背屈してもらい、ふくらはぎの強張り感を確認してもらって、第5と第2腰椎の逆捻転を行うと強張り感が軽減した。
逆捻転を、響き的な感覚がなくなるまで行うと約10秒間の持続手技を3回であった。次に背臥位になってもらい、足関節の離開法(遠位方向に引っ張る)と滑り法(床天井側に押す)を行ってから足関節の背屈と凸滑り法を3回、強めに行い、最後、筆者が手技を行いながら患者さんにも背屈に力を入れてもらった。
手技を終了して、両足関節を同時に背屈してもらうと、関節可動域はほぼ同じで右側のふくらはぎの強張り感がまったくなくなっていた。

 ●第4胸肋関節に関節運動法を5分間行って持続手技による経絡反応(響き)を調べた 

①第4胸肋関節
検査:第4肋骨の胸骨関節部の上と下の圧痛を調べたところ、上部に圧痛があったので、肋骨関節部を足方に、上肢を頭方に圧迫して凸滑り法を行った。
0分経過:中指が痺れる。右内肩井に響く。
1分経過:咽がつまる感じがする。
2分経過:右腕の三焦経・四瀆穴あたりがだるい。
3分経過:頭がクラクラして落ちていくような目眩がする。
4分経過:目眩がなくなって頭がスッキリした。
     中指が体の方に引っ張られる感じ。
5分経過:右大腿後側部から膝の裏にかけて響いて、温かい。

②肩鎖関節の前方滑り法
検査:前方(腹側)滑り法と後方(背側)滑り法を行うと、前方で響き的な感覚が強かった。
0~1分経過:右側頸部の頸椎5番横突起 部(ちょうどシミがある部位)に響いた。耳の前の和髎穴に響いた。中指が熱い。
1~2分経過:普段、肩が凝ることころに響いた。右手三里に響いた(シミがある)
2~3分経過:上腹部の中脘穴あたりにズーンと響いた。
3~4分経過:中指と足裏に汗をかいてきた。
4~5分経過:右後頸部に響いて、額の上攅竹穴がズンズンする。
手技の手を離して1分間観察:手を離して、上攅竹のズンズンが消えた。肩のジワーッとした感覚が残っている。

●仙腸関節の関節運動法を5分間行って、持続手技の経絡反応を調べた 

①上部離開法
0分~1分経過:臍の右上がジーンとする。
1分~2分経過:大腿部の裏側がジーンとする。ふくらはぎが張った感じ。右第4趾がジーンとする。
2分~3分経過:お腹の中がクルクルと回っている。
3分~4分経過:持ち上げられている感じがなくなった。お腹がスッキリした感じ。
4分~5分経過:腰と骨盤が楽な感じがする。
・治療師の感想:手指がつらくなって持ち直そうかと思ったか持続した。

②右前屈上方滑り法
0分~1分経過:臍の上にジーンと感じて、それが胸の膻中あたりに移動した。
1分~2分経過:右内肩井に感じる。お腹がグルグル動いている。
2分~3分経過:右のスネが張る感じ。右足の甲の部分がしびれる感じ。
3分~4分経過:腰が楽。こめかみ部がヒリヒリする。
4分~5分経過:足の裏が熱い。右陽白穴の外側部がジーンとする。
・治療師の感想:左の腰がだるくなったが我慢した。 

●左鼠径部の痛みが胸椎11/12椎間関節の逆捻転で軽減した。女性 57歳。

股関節の前側の鼠径部に時々、痛みが起こるという。
痛みの部位は大腿動脈部であった。この部位は脾経の経絡であるので、左上側臥位になってもらい、脾兪穴に診断按摩を行うと硬結・圧痛があった。
このツボの位置する胸椎11/12棘突起間を触診すると詰まりと圧痛があったので逆捻転を行うと背中が伸ばされる感覚で気持ち良いという。
そこで逆捻転を持続して行うと鼠径部の痛みの部位に響いたので、響きの感覚が薄れるまで10秒間の持続手技を4回、繰り返し行った。
次回の症状がどうなっているか気になるところである。

●右肩関節の内旋と凸軸回旋法を行うと、腋窩の極泉穴でドクドクと血液の流れる反応が起こって上肢が温かくなった。女性 33歳。NEW!

なんとなく右肩がよくないというので右上の側臥位になってもらい、肩関節の関節運動法を全手技、行ったところ、内旋と凸軸回旋法で最も響き的な感覚が強かった。この手技を持続的に行うと腋窩部・心経・極泉穴に血液の流れるような反応が起こって、少したって上肢、全体が温かくなった。

●順捻転と逆捻転を行って、さらに患者さんにその方向に力を入れてもらうと改善の効果が高くなる。

1)腰椎・胸椎の順捻転を行い、最後に、患者にも順捻転の方向に力を入れてもらうと、さらに捻転の効果が高くなる。

2)腰椎・胸椎の逆捻転を行い、さらに患者にも逆捻転に力を入れてもらうと、逆捻転の効果が高くなる。

●肩関節外転と凸滑り法で、ゴキッと鳴ったとたんに外転ができるようになった。女性 48歳。

右腕を横に上げると最後のところで痛みが出るという。右上の側臥位になってもらい、肩関節の離開法と滑り法を行って、次に肩関節の外転と凸滑り法を2回行った。
最後にもう一度、強く外転を行うと、ゴキッと関節が鳴った。 その直後に痛みなく最大の外転位まで上げることができるようになった。

● 咳・痰の症状に対して胸椎3/4椎間関節の逆滑り法と逆捻転を行ったところ、右志室穴に痛みが起こった。女性33歳。

咳と痰があるということで、のどの上天突穴と上胸部の圧痛を調べると、左側に圧痛が強かった。
左上側臥位で胸椎3/4椎間関節に逆滑り法と逆捻転を行うと、1回目の持続的手技を行ったときはのどに響き、2回目では右腰の志室穴の部位に響いた。
そこは普段、腰が痛くなると痛みの起こるところであるということであった。

●左風市穴の痛みが、右胸椎9/10の逆捻転で響いた。女性 43歳。

左胆経・風市穴が痛だるいということで左上側臥位になってもらい、背腰部に診断按摩を行うと肝兪穴の位置する胸椎9/10棘突起間に詰まりと圧痛があった。
試しに肝兪穴とその棘突起間の左右を指圧すると右側に圧痛が強くあった。
最初に左胸椎9/10椎間関節に逆捻転を行うと左風市穴に響いた。次に下側(ベッド側)の椎間関節の逆捻転は、やりにくいので普段やらないのだが、右側に行ってみると左側の手技よりも左風市穴に強く響いた。
響き的な感覚が起こらなくなるまで、1回、約15秒間の持続的手技を3回、行った。

●膝窩・委中穴の痛みが、腰椎2/3椎間関節の逆捻転で、ゴキッと鳴ったとたんに感じなくなった。女性 77歳。

左の膝の裏が痛いという。左上側臥位になってもらい、患部は膀胱経なので仙腸関節部の膀胱兪穴の圧痛を調べると、少し痛みがあった。仙腸関節の上部離開法を行った。
次に腰部の腎兪穴を調べると圧痛が強く、腰椎2/3椎間関節の逆捻転を行うとゴキッと関節が鳴った。
そのとたんに、「アッ、膝が楽になった」と患者さんが言った。

●肩凝りで肩鎖関節の滑り方が、一番、効いた。女性33歳 

右肩が凝るということで右上の側臥位で、肩に手を当てて揉んでもらいながら、仙腸関節や脊椎椎間関節など肩凝りに関係する関節に関節運動法を行った。
その中で肩鎖関節の前方滑り方を行うと、ジーンとした響きの感覚が強く起こった。この手技を持続して行うと、肩凝りがはっきりと軽減した。

③仙骨の後屈と股関節の過伸展の組み合わせ。腹臥位で、仙骨の下部を床側に圧迫しながら股関節の過伸展と凸軸回旋法を行うと、ゴキッと関節が鳴って、さらに過伸展の関節可動域が広がった。

仙腸関節の手技を行って関節が鳴ることは少ないが、股関節を最大限に過伸展しながら、仙骨の後屈の手技を行うと鳴ることがある。

●膝窩・委中穴の痛みが、腰椎2/3椎間関節の逆捻転で、ゴキッと鳴ったとたんに感じなくなった。女性 77歳。 NEW

左の膝の裏が痛いという。左上側臥位になってもらい、患部は膀胱経なので仙腸関節部の膀胱兪穴の圧痛を調べると、少し痛みがあった。仙腸関節の上部離開法を行った。
次に腰部の腎兪穴を調べると圧痛が強く、腰椎2/3椎間関節の逆捻転を行うとゴキッと関節が鳴った。
そのとたんに、「アッ、膝が楽になった」と患者さんが言った。

●左下天宗の圧痛に対して、胸椎9/10椎間関節の順捻転で響いて改善した。 女性 29歳。 

「この2~3日で、ここが痛くなったのです」といって左肩甲骨部の下部を指で押さえた。
揉んで調べると小腸経・天宗穴の下方の外側であった。
筆者の経験上、この部位の硬結・圧痛は心兪穴、肝兪穴、志室穴、小腸兪穴などに関係が深い。
これらのツボを指圧すると肝兪穴の外側の魂門穴に圧痛が強くあり、同時に胸椎9/10棘突起間にも詰まりと圧痛があった。
順捻転と逆捻転を行うと順捻転で刺激感が強いという。この手技を持続して行うと下外天宗穴の部位に、普段、感じる痛みと同じような感覚が起こった。これは改善する反応なので、さらに持続して行うと何も感じなくなった。
下外天宗を患者さん自身で押さえてもらうと痛みは半分くらいになっていた。

●腰痛で右の腰に逆捻転をしたら左腰に響いて、左の腰に逆捻転をしたら右に響いた。女性 51歳。

1年くらい間隔があいて治療にかかってくれた患者さんである。
腰の両側が痛くて治らないので、また来ましたという。
背臥位で下肢を挙上して坐骨神経伸展法を行なうと、右側の挙上角度がやや少なく、腰に痛みが出た。右上の側臥位になってもらい仙腸関節の治療をして、次に腰部の逆捻転を行なうと、右側がジーンとしたあと左側の腰にもジーンと響いた。
左上の側臥位になってもらい左の腰部に逆捻転を行なうと、今度は右側にジーンと響いた。
しかし、左右に3回、逆捻転を行なうと反対側に響くことはなくなって、最後、やはり右腰の逆捻転で右側に響きが少し起こる感じになった。
背臥位になってもらい下肢を挙上すると、治療前よりも上げることができて痛みはほとんど起こらなくなっていた。

●母指の基節骨/第1中手骨関節の痛み(CM関節痛)が、この関節の外転・内転と凸滑り法で腹がゴロゴロと鳴って改善した。女性 67歳。NEW

左母指の手根・中手関節に痛みがあるということで、この関節の関節運動法である掌屈・背屈と凹滑り法と内転・外転と凸滑り法を行うと、内転・外転で痛みが発生した。手技の力を弱くして凸滑り法を繰り返すと、腹がゴロゴロと鳴ったので鳴らなくなるまで行った。
その後で指を動かしてもらうと、痛みが半分程度になっていた。

●便秘は左側の後屈下方滑り法で改善することが多い。女性 37歳。
便秘は、腹部では左下腹部と天枢穴に硬結・圧痛のあることが多く、仙骨部では下髎穴に圧痛がある。
仙腸関節の上方滑り法と下方滑り法を比較すると、上方滑り法では腸が持ち上げられる感じが起こり、下方滑り法では腸が下げられるように感じられる。
便秘ということで下腹部を調べると左府舎穴と仙骨部では左下髎穴に圧痛があった。
左上側臥位で左府舎穴を圧迫して圧迫不快感を確かめておき、仙腸関節の後屈さらに後上部離開と前上部離開を行なって、圧迫不快感の軽減を確かめると後屈下方滑り法で軽減した。
後屈下方滑り法のジーンとした感覚が感じられなくなるまで、1回、20 秒間くらいの持続的手技を3回行なった。
また便秘は腎の弱りも関係しているので、腰椎2/3椎間関節の逆捻転も響き的な感覚が起こらなくなるまで行なった。
治療が終わって少し便意を感じたが、帰りに電車を降りてバスで2停車間を、バスに乗らないで15分くらい歩いて帰ったら、家についたとたんに排便があった。

 

●ダンスで左肩を上げていると筋肉痛になる。男性 52歳。

アマチュアであるが社交ダンスを熱心に行なって大会に出ている男性である。
左腕を上げて女性の背中に手を当てるのだが、最近、左肩に筋肉痛を感じるようになったという。
左上側臥位で左肩を外転してもらうと、関節可動域とてしは十分に上まで挙げることができるが、90度くらいに挙げた位置で三角筋部の三焦経・臑兪穴に強張った感覚が起こった。
そこで背腰部を指圧すると三焦兪穴に硬結・圧痛があり、その中央の腰椎1/2棘突起間に詰まりと圧痛があった。また肝兪穴にも硬結・圧痛があり、胸椎9/10棘突起間にも詰まりと圧痛があった。
腰椎1/2椎間関節に逆滑り法と順滑り法を行なって逆捻転の手技をしながら肩を上げてもらうと強張った感じがまったく感じなく挙げることができた。

腰椎椎間関節部にジーンとした感覚が起こらなくなるまで行なった。
同様に胸椎9/10椎間関節にも行った。
最後に肩関節の外転と凸滑り法を行い、外転90度の位置で筆者が凸滑り法を行ないながら患者さんに外転に力をいれてもらい、それに抵抗して筋力増強をはかった。 
治療を終了して坐ってもらい左腕を横、90度に挙げた状態で、筆者が腕を下げるように力を入れても肩に痛みが起こらなくなっていた。

●奥歯の痛みが手の薬指と足の第4趾の関節運動法で軽減した。女性 51歳。
右側の下の奥歯が歯周病で痛むという。手足で圧痛反応の出ているツボを調べると、手では薬指の三焦経・上中渚穴で足では足背部・胆経・足臨泣であった。
治療
①足の第4趾の中足指節関節の底屈と凹滑り法を行い、次に第4趾の指節関節に背屈と凹滑り法を行なった。右下奥歯にジーンとした感覚で響きが起こったので、約3分間、持続して行なった。
②手の第4指の中手指節関節に背屈と凸滑り法、手指の関節に背屈と凹滑り法を行なうと、足指に手技を行なったのと同様に患部にジーンとした感覚が起こった。この感覚が起こらなくなるまで2分間ほど持続して行なった。(最初に手関節と手指の掌屈を行なったが、背屈の方で響きが強く起こった)
終わって歯を強く噛みしめてもらうと、普段の感覚よりも痛みが半分程度になっていた。

●仙腸関節の上部離開法で手の小指に響いた。女性 52歳。
右の腰が重い感じということで仙腸関節の手技を行なうと、上部離開法で響き的な反応があった。
持続的に行なうと右手の小指に痛みの感覚が起こった。
思わぬところに響いたので聞くと、たまに小指が痛くなることがありますとのことだった。

●委中穴の痛みと頻尿改善の関節運動法。女性 77歳。

朝、起きたとき左膝の裏が少し強張った感じがした。時間がたつに従って段々痛くなった。歩くと左足にしっかりと力を入れられない状態で、足の裏に餅がくっついているような感じであるという。
いろいろ症状の発生原因を聞くと普段、夜中に1回くらい排尿で目が覚めるのが3回もあったという。
足を触るとひんやりとしていた。
冷えによる症状と判断して腎と膀胱に関係する関節に関節運動法を行なった。
なお圧痛のあったツボは左委中穴、膀胱兪穴、腎兪穴であった。

治療
・左上側臥位で膝関節を伸展した状態で行なった。
①膀胱兪穴は仙腸関節部にあるので仙腸関節の治療が重要である。
治療手技を気持ちよさで判断すると上部離開法であった。
足関節を背屈してもらって膝裏の強張り感を再現して上部離開法を行なうと、症状が軽減した。仙腸関節部の気持ちよさが感じられなくなるまで行なった。
②腰椎の棘突起の圧痛を調べると、5番から1番まで全部圧痛があった。
腎兪穴の位置する腰椎2/3椎間関節の逆捻転を重点的に行なった。
この手技でも膝裏の強張り感が軽減した。

・背臥位
③膝関節の過伸展と凹滑り法を、腕を外側と内側に入れて、膀胱経と腎経に行なった。キクッと関節音がした。
④最後に、足関節の背屈と凸滑り法を腎経と膀胱経に行なった。
立って歩いてもらうと左膝裏の強張り感と足の裏に餅がくっついたような感覚が半減していた。左足に体重をかけて歩くことができた。
冷えが原因なので昼間の冷房を少し弱くすることと、冬用のフトンで寝ることを勧めた。

●手関節(腕橈関節)を圧迫しながら掌屈・背屈と橈屈・尺屈の凸滑り法を行ったら、それぞれ体患部に響いた。女性 33歳。

左手首を動かすとコキコキと音がするというので、最初、普通の操作(特別に圧迫したりしない)で関節運動法を行った。関節音が小さくなったので、今度は橈骨に対して手根骨を圧迫しながら4つの方向に関節運動法を行うと、それぞれの手技で体患部の違う箇所に響きが起こった。
①左腕橈関節の背屈と凸滑り法で、背中側の背骨を中心に肩甲間部から腰部に響きが起こり、さらに下肢後側部に感じた。
②掌屈と凸滑り法で、腹部側の胸から下腹部にかけて正中線に響きが起こり、さらに下肢前面部に感じた。
③左腕橈関節の橈屈と凸滑り法で、体幹の外側部の左脇腹に響きが起こり、さらに左下肢外側部に感じた。
④左腕橈関節の尺屈と凸滑り法で、体幹外側部の右脇腹に響きが起こり、さらに右下肢外側部に感じた。

● 女性 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎で左手に湿疹がひどい患者さん。特にひどい患部は手関節背面部から第4指にかけてと、手掌の中心部であった。この部位は経絡では三焦経なので、左上側臥位で腰椎1/2椎間関節に離開法を行なった。
手技を持続的に行なっていると、手の甲がドクドクと脈と打つ感じがするという。拍動がなくなるまで3分間ほど行なった。
また手掌の中心部は心包経なので、胸椎4/5椎間関節に滑り法を行なった。持続的に手技を行なっていると、掌の部位がジンジンするという。
一週間後、手を見るとジクジクした赤みがかなり改善していた。

● 女性・40歳
手関節の掌屈・背屈痛が仙腸関節の後屈上方滑り法で改善した
昼寝から目が覚めたら、右肩関節から右手首にかけて上肢の後側部(小腸経)に沿って痛みが起こって、手首の掌屈・背屈ができなくなった。
右上側臥位で、手首を掌屈・背屈して痛みを出しながら仙腸関節の主要な5種類の手技を行うと、後屈上方滑り法で右肩にジワーと響きが起こって手関節部の痛みが軽減した。
この手技を1回約10秒間で4回行った。
さらに手関節に掌屈と凸滑り法、背屈と凸滑り法を行って手首を動かしてもらうと治療前に比べて痛みが3分の1程度に改善していた。

● 女性・44歳
母指の手根中手関節の疼痛が改善した
5年位前に滑り台から滑ってきた子供を受け止めようとしたところ、右母指を過伸展させて母指手根中手関節を傷めた。
以後、右母指を動かすと時々うずくような痛みとひっかかりが起こる。特に魚際穴と陽谿穴に圧痛が強い。
背部に診断按摩を行うと胸椎3/4棘突起間の詰まり・圧痛と肺兪穴に凝りが見られた。
仙腸関節の治療手技は、気持ちよさで判断して選択すると前屈上方滑り法であった。この手技を10秒間で3回行った。
胸椎3/4椎間関節の4種類の手技を行うと咽喉部に響く感じがするという。
患者さんは、普段、咽頭が弱い。
約10秒間で4回行った。
ここで右母指を動かしてみると痛みは70%くらい減少していた。その後、母指手根中手関節の背屈と凹滑り法を行ったところ、疼痛はほぼ消失して運動時のひっかかりは気にならなくなった。

 ● O脚治療で、 ベルトで締めつけたときの膝の痛みは、後頭骨/環椎関節(風池穴)の離開法で軽減することができる。

 ● 男性・80歳
若い時の肺浸潤で右肺に影が写るという男性に胸椎椎間関節の滑り法を行った若い時、肺浸潤を患ったことがあって、レントゲンで右肺に影が写るという80歳の男性。
右上側臥位で胸椎の棘突起間を触診すると、胸椎4/5棘突起間に詰まりと圧痛があった。
この部分に滑り法を行うとジーンとした感じがあって呼吸が楽になるというので、響きが起こらなくなるまで1回10秒間の手技を3回行った。

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